黒土帯(読み)こくどたい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「黒土帯」の意味・わかりやすい解説

黒土帯
こくどたい

乾燥気候のステップ地域に生じた黒色土壌が分布する地域。黒土地帯ともいう。夏季に生育した草原が冬には枯死して腐植となり、そのため厚い黒色土を形成し、肥沃(ひよく)である。黒土帯はほとんど各大陸に分布し、重要な穀物生産地域となっている。ウクライナからロシアのシベリア南部にわたってチェルノゼムと称する肥沃な黒土が帯状に発達し、ヨーロッパの穀倉とよばれている。カナダからアメリカ合衆国のロッキー山脈東麓(とうろく)の草原地帯にはプレーリー土とよばれる黒色土が発達し、小麦、トウモロコシの大生産地となっている。アルゼンチンのパンパ草原にも黒色土が発達して小麦の栽培、牧牛の飼育が広く行われている。インドのデカン高原にはレグール土という黒色土が発達し、黒色綿花土ともよばれ、綿花の栽培が広く行われている。

[市川正巳]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android