黒土(読み)くろつち

精選版 日本国語大辞典「黒土」の解説

くろ‐つち【黒土】

〘名〙
い色の土。くろぼく。くろぼこ。〔十巻本和名抄(934頃)〕
② 腐敗した植物質を含み、黒色または黒褐色をした耕作に適した土。こくど。くろぼく。
※趣味の遺伝(1906)〈夏目漱石〉三「例の白菊の色が、水気を含んだ黒土に映じて見事に見える」
③ 火事で焼けた土。焼け土。焦土。また、建物などを取り払ったあとの空地。
浄瑠璃・曾我七以呂波(1698頃)二「けいせい町を法度にし、けはひ坂大磯をくろ土にしてくれん」

こく‐ど【黒土】

〘名〙
① 腐敗した植物質を含む、黒色または黒褐色の肥沃(ひよく)な土。黒色土。くろつち。〔日葡辞書(1603‐04)〕〔三輔黄図‐池沼〕
② 仏語。暗黒の国土の意。現世をいう。穢土。
※筌蹄録(1909)〈釈宗演〉一四「黒土を去って浄土に行かん事を希ふの余り」

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デジタル大辞泉「黒土」の解説

くろ‐つち【黒土】

黒い色の土。腐敗した植物質などを含んだ、耕作に適した土。こくど。くろぼこ。
火災にあって焼けた土。やけつち。
[類語]土壌土地大地壌土土砂赤土緑土黄土凍土ローム粘土陶土はに壁土アンツーカー腐植土腐葉土シルト残土

こく‐ど【黒土】

チェルノーゼム

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世界大百科事典 第2版「黒土」の解説

くろつち【黒土】

ふつう火山灰土壌の有機物に富む黒い表層土をさしていう。地方により黒ノッポ黒オンジなどさまざまに呼ばれる。黒土層の下方には俗に赤土と呼ばれる明るい褐色の風化火山灰層がつづく。世界の火山灰土壌の中でも,日本のものの表層土はとくに黒みが強く,また有機物含量(平均十数%)も高い。黒土層はススキなどの草本植生のもとで発達したとされ,ススキの旺盛な生長力と温暖多雨気候が黒土発達の条件と考えられる。14C年代測定によると黒土層の年代はほとんどが1万年未満で,とくに現世に入ってから黒土層の発達する条件が整ったことが知られる。

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世界大百科事典内の黒土の言及

【黒土】より

…地方により黒ノッポ,黒オンジなどさまざまに呼ばれる。黒土層の下方には俗に赤土と呼ばれる明るい褐色の風化火山灰層がつづく。世界の火山灰土壌の中でも,日本のものの表層土はとくに黒みが強く,また有機物含量(平均十数%)も高い。…

【草原】より

…夏の乾燥と冬の低温のためこの大量の植物遺体はゆっくり分解される。したがってステップの土壌はチェルノーゼム(黒土)と呼ばれるように腐植に富み,草本の根の密な発達で保水性や通気性もよく豊かである。黒土地帯にはコムギ,オオムギ,トウモロコシなどの作物が栽培され,世界有数の穀倉地帯となっている。…

【チェルノーゼム】より

…温帯の大陸性半乾燥気候下の多年生イネ科高茎草本を主とする自然草原(ステップ)に発達する土壌。ロシア語で〈黒い土〉を意味する言葉に由来し黒土(こくど)と訳されることもあるが,単なる黒色の土壌ではなく,日本で一般に黒土(くろつち)と呼ばれるものとはまったく異なる。ステップでは春先の融雪水と初夏の降雨によって草本類が急速に生長し,多量の有機物が土壌に供給される。…

※「黒土」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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