黒曜岩(読み)こくようがん(その他表記)obsidian

翻訳|obsidian

岩石学辞典 「黒曜岩」の解説

黒曜岩

テオフラストスは,黒曜岩または松脂岩をlipara stoneという名称で記載した[Theophrastus : 320 B. C.].昔のギリシャでは同様の岩石をobsianosと呼んでおり,プリニウスの初期の本にはobsidianと書かれている[Pliny : 77].エチオピアのオブシウス(Obsius)で発見された岩石でありobsianと訂正されたが,obsianはおそらくギリシャ人がこの石を鏡に作って使用したことによるらしい.暗色の火山ガラスからなる岩石で,ガラス状またはサテン状の光沢があり,貝殻状の割れ目がある.一般に塊状であるが様々な形状のものがある.斑晶はまれか含まれないが,薄片では微晶または晶子が流線に沿って配列しているのが観察される.一般に流紋岩組成に相当するが,この語自体は流紋岩の組成ということは意味していない.他の酸性や中性の組成のガラス質になる時はデーサイト質黒曜岩や粗面岩質黒曜岩というように接頭語をつける.黒曜岩は1%以内のH2Oを含んでいるのに対して,松脂岩(pitchstone)は4~10%のH2Oを含んでいる[Vogt : 1923].日本語は和田維四郎が1878年に黒耀石(黒曜石)と訳したが,それ以前からあった石の名らしい[歌代ほか : 1978].耀は火の明るく輝くさま,曜も日が照って明るいさまの意味.イソファイア(isophyre)[Tomekeieff : 1983],ハイアロサイト(hyalopsite)[Johannsen : 1932].

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関連語 山田

最新 地学事典 「黒曜岩」の解説

こくようがん
黒曜岩

obsidian

ガラス光沢を有する流紋岩~デイサイト質のガラス質火山岩。黒曜石とも。色は通常暗黒または灰黒。貝殻状断口を示す。比重2.339~2.527。水分に乏しい(H2O(±)<1%)ことと比重が大きいことでピッチストーンと区別される。ときに少量の斑晶を含む。石基には晶子を含む。しばしば点紋状・縞状・球顆構造を呈し,また気泡を含むことがある。通常,溶岩または火山放出物として産し,日本では北海道十勝・長野県和田峠などのものが有名。obsidianは火山ガラスに対する古代からの名称。石器時代石器の材料として珍重

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世界大百科事典(旧版)内の黒曜岩の言及

【黒曜石】より

…斑晶や石基鉱物と気泡をほとんど含まない緻密なデイサイトあるいは流紋岩溶岩のほか,溶結凝灰岩中の脱ガラス作用を受けていない本質岩片も黒曜石である。黒曜岩ともいうが岩石分類名としては正式には使われていない。黒色ないし灰黒色で新鮮な割れ目は光沢があり,貝殻状断口を示す。…

※「黒曜岩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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