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黒曜石 こくようせき obsidian

翻訳|obsidian

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

黒曜石
こくようせき
obsidian

無斑晶あるいはほとんど斑晶を含まないガラス質火成岩。黒曜岩ともいう。黒色のものが多く,ガラス光沢を有し貝殻状断面を示す。比重 2.34~2.53,硬度 5.5程度。なかにはアルカリ長石およびケイ酸鉱物の小さな斑晶が見えることもある。

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デジタル大辞泉の解説

こくよう‐せき〔コクエウ‐〕【黒曜石】

火山岩の一。主に黒色でガラス光沢があり、化学組成流紋岩質。割れ目は貝殻状を示し、破片が鋭いので石器の材料に使われた。日本では北海道十勝・長野県和田峠・島根県隠岐島後(どうご)などに産する。黒曜岩。

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百科事典マイペディアの解説

黒曜石【こくようせき】

漆黒で完全にガラス質の火山岩。組成は流紋岩質または安山岩質。質が緻密(ちみつ)で断口の縁が鋭いので石槍(いしやり),石鏃(せきぞく)などに用いられ,新石器時代ヨーロッパ,先史アメリカインディアン,日本では岩宿遺跡などローム層中に発見される先土器文化の石器にその例がみられる。
→関連項目海上の道腰岳打製石器テクタイト

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岩石学辞典の解説

黒曜石

黒曜岩

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防府市歴史用語集の解説

黒曜石

 火山の噴火によって作られたガラス質の石です。かたい石ですが、われ目が貝がらのような形になります。そのため、世界各地で石器の原材料として使われています。

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世界大百科事典 第2版の解説

こくようせき【黒曜石 obsidian】

天然の火山ガラスでできた岩石。斑晶や石基鉱物と気泡をほとんど含まない緻密なデイサイトあるいは流紋岩溶岩のほか,溶結凝灰岩中の脱ガラス作用を受けていない本質岩片も黒曜石である。黒曜岩ともいうが岩石分類名としては正式には使われていない。黒色ないし灰黒色で新鮮な割れ目は光沢があり,貝殻状断口を示す。長野県諏訪市北方,和田峠の黒曜石は流紋岩溶岩である。【宇井 忠英】 黒曜石は割って鋭利な稜を作りやすいため,フリントチャートなどと並んで,先史時代の石器によく利用された。

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大辞林 第三版の解説

こくようせき【黒曜石】

ガラス質の火山岩。黒色または暗灰色、時に赤褐色。割れ目は貝殻状を示す。流紋岩質や安山岩質のマグマが冷えて固まったもの。先史時代には石器に使用された。近年は焼いて粉末にし、断熱材に利用する。十勝石など。黒曜岩。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

黒曜石
こくようせき
obsidian

流紋岩やデイサイトとほとんど同じ化学組成をもつガラス質の火山岩。黒曜石は石材名で、岩石名は黒曜岩、オブシディアンという。黒色、灰色、赤色、褐色などのものがある。緻密(ちみつ)でガラス光沢をもつ。割ると貝殻状の(二枚貝の内面と外面のように、一方は凹面、他方は凸面をもった)断面を生ずる。比重は2.3~2.5。ガラスの中に石英や長石の斑晶(はんしょう)とか、微細な結晶が集まって数珠(じゅず)玉状、棒状、毛状などの形をしたクリスタライトを含む。ときにはクリストバル石の集合からなる白色の球状体を含むことがある。黒曜岩と同じくガラス質の火山岩にピッチストーンpitchstone(松脂(しょうし)岩ともいう)とパーライトperlite(真珠岩ともいう)がある。ピッチストーンは樹脂状光沢をもち、パーライトは真珠の粒のような球状の割れ目が発達しているというように、ガラスの状態が異なる。このほか、水分の含有量にも、黒曜岩は1%以下、パーライトは4%以下、ピッチストーンは4~10%というように差異がある。
 黒曜岩のなかで黒地に褐色の網目があるものをマホガニー・オブシディアン、黒地に小さな白色球状の斑点を含むものをスノーフレーク・オブシディアン、大きな白い斑点を含むものをフラワー・オブシディアン、油膜のような多彩色を示すものをレインボー・オブシディアンといっている。黒曜岩は溶岩として地表に噴出したものである。日本では北海道十勝(とかち)(十勝石)、長野県和田峠、島根県隠岐(おき)島後(どうご)(馬蹄石(ばていせき)。断面が馬蹄形になる)などに、外国では、アメリカ合衆国ワイオミング州イエローストーン国立公園のオブシディアン・クリフ、地中海のリパリ島、アイスランドのヘクラ山などに産するものが有名である。古代より石器、飾り石などに多用されてきたが、現在でも研磨してカフスボタン、ネックレス、ペンダントなどの装身具に用いられている。また、発泡させて液体の濾過(ろか)に利用されている。オブシディアンという名称はオブシディウスObsidiusがエチオピアで発見したことにちなむ。[千葉とき子]

産地

産地は限られるが、火山活動が盛んであった地域に多くみられる。たとえば新大陸のアラスカ、カリフォルニア、メキシコ、ユカタン半島、グアテマラ、エクアドル。旧大陸の西アジア、トルコ、地中海のサルデーニャ島、ミロス島、アフリカのケニア、エジプトなど。
 日本でも北海道十勝、長野県和田峠・八ヶ岳付近、伊豆七島の神津島(こうづしま)、隠岐島後、大分県姫島、佐賀県腰岳(こしだけ)、長崎県針尾島、熊本県阿蘇山(あそさん)など100か所以上の産地が知られる。産地を細分すればその数はさらに増える。岩脈、沢の転礫(てんれき)、細屑(さいせつ)された黒曜石の自然堆積(たいせき)(floating obsidian)など、多様な産状があるので、考古学的な分析や理化学分析の前提として、産地の厳密な地質学的記載が重要である。[小野 昭]

性質・用途

石・骨・木製など適当なハンマーで打撃を加えると、貝殻状の割れ口を示し、鋭利な刃部が得られる。組織は脆(もろ)いが、その鋭利な性質を利用して、石器時代全般(旧石器時代から縄文時代)にわたって狩猟具(ナイフ形石器、槍(やり)、石鏃(せきぞく)など)や工具(彫刻刀、スクレーパー、ドリルなど)として多用された。打製石器製作のための代表的な石器素材の一つである。
 外国では黒曜石を研磨して製作した石製品がある。紀元前四千年紀イラクのテペ・ガウラ遺跡で発見された把手(とって)付きの碗(わん)、トルコのアナトリア高原チャタル・ヒュユク遺跡で女性の墓に副葬された前約6000年にさかのぼる鏡などはその代表例である。
 1970年代以降、各種の理化学的方法の開発によって黒曜石が多角的に分析され、遺跡から出土する黒曜石の産地同定が可能となった。後期旧石器時代においてすでに信州産の黒曜石は、百数十キロメートルも離れた南関東まで搬出されたことがわかった。また、最終氷期の最寒冷期においても陸化しなかった伊豆七島から、神津島産の黒曜石原石が関東、中部地方に搬出されていた。このように産地と遺跡が結び付けられ、陸域だけでなく海を越えた石器時代の石材採取・運搬、さらには原始交易の問題に資料的な基礎を提供している。[小野 昭]
『坂田邦洋著『九州の黒曜石――黒曜石の産地推定に関する考古学的研究』(1982・広雅堂書店) ▽小泉袈裟勝著『八ヶ岳の三万年――黒曜石を追って』(1987・法政大学出版局) ▽森浩一著『図説日本の古代1 海を渡った人びと』(1989・中央公論社) ▽平尾良光・山岸良二編『石器・土器・装飾品を探る――蛍光X線、放射線、脂肪酸』(1998・国土社)』

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世界大百科事典内の黒曜石の言及

【交易】より

贈物【大胡 欽一】
[原始・古代における交易]
 原始・古代において,産地の限られた天然資源とその加工品,あるいは製作に高度な技術を必要とする製品の交易が認められる。石器の材料となる黒曜石はアメリカや西アジアでも広く使用されたが,日本では十勝岳,長野県和田峠,伊豆,隠岐,大分県姫島,阿蘇などの地域に産地が限定される。サヌカイトは奈良県・大阪府二上山,兵庫県岩屋,香川県金山,広島県冠山などに産するものが使用された。…

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