日本大百科全書(ニッポニカ) 「黒海経済協力圏」の意味・わかりやすい解説
黒海経済協力圏
こっかいけいざいきょうりょくけん
Black Sea Economic Cooperation Zone
略称BSEC。1992年6月、トルコのイスタンブールで黒海近辺の11か国代表が黒海経済協力サミット宣言に署名して発足した。アルバニア、アルメニア、アゼルバイジャン、ブルガリア、ジョージア(グルジア)、ギリシア、ルーマニア、ロシア、トルコ、ウクライナ、モルドバの11か国で構成。オブザーバーとしてエジプト、イスラエル、ポーランド、スロバキア、チュニジアが参加。1980年代当時のトルコ首相T・オザルが提唱し、1990年から1991年の準備期間を経て結成された。黒海が平和と安定と繁栄の海となるように、相互的、多角的な経済、技術、社会での協力をしあい、加えて地理的に近い諸国が貿易などでも協力し、自由企業を奨励しようとするもの。1998年には黒海経済協力機構(Organization of the Black Sea Economic Cooperation:BSEC)として正式な経済機構になった。2004年には、新たにセルビア・モンテネグロ(モンテネグロは2006年に分離独立)が加わった。常設事務局はトルコのイスタンブールに置かれている。
[中山弘正]