日本の城がわかる事典 「黒石陣屋」の解説 くろいしじんや【黒石陣屋】 青森県黒石市にあった江戸時代の黒石藩の陣屋(城)跡。陸奥国津軽郡黒石(現黒石市)を拠点とした、弘前藩(津軽藩)の支藩・黒石藩の陣屋(藩主の居城、政庁)である。正規の大名(1万石以上を大名と称する)の居館ではなかったため、城ではなく陣屋と称したが、れっきとした城郭を持っていた。市の中心部、市役所からもほど近い御幸公園内に陣屋跡があり、石碑が建っている。この石碑付近に陣屋(城)があった。黒石藩は1656年(明暦2)に津軽信政(のぶまさ)が本藩の弘前藩の第4代藩主を継ぐと同時に、二代藩主信枚(のぶひら)の次男で信政の叔父の津軽信英(のぶふさ)が弘前藩より5000石を分与されて誕生した。以降、黒石津軽家の当主が歴代の藩主を務めたが、1809年(文化6)、8代親足(ちかたり)の代に、北海道警固の功績から1万石に加増され、正規の藩となった。1871年(明治4)の廃藩置県により、陣屋は一般に開放され、御殿は黒石町(当時)に寄贈されて、黒石小学校として使用された歴史を持つ。弘南鉄道黒石駅から徒歩約10分。◇黒石城、烏城(うじょう)ともいう。 出典 講談社日本の城がわかる事典について 情報