龍口村(読み)りゆうぐちむら

日本歴史地名大系 「龍口村」の解説

龍口村
りゆうぐちむら

[現在地名]名張市竜口りゆうぐち

上三谷かみみたに村の南西にあり、伊賀国の最西端に位置する山村。同名村が山を隔てて隣接する大和国側(現奈良県宇陀郡室生村)にもある。龍口の名は、平安初期頃より祈雨の神として著名な龍穴りゆうけつ神社(竜神)室生むろう(現室生村)にあり、名張方面からその社に詣でる入口にあたっていたため、龍神口が龍口と約されたのであろう。大治四年(一一二九)五月一二日の伊賀国留守所下文案(東大寺文書)や天承元年(一一三一)七月二八日の伊賀国司庁宣案(同文書)に伊賀国名張郡国見杣内龍口村とみえる。この地に大和国大野おおの(現室生村)の住民が乱入した。この前後より、造寺や修理の用材確保のため、良質の木材を豊富に産出する龍口の国見杣および開発田をめぐって、東大寺・興福寺両寺の紛争が激しくなった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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