龍猛(読み)りゅうみょう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

龍猛
りゅうみょう

真言(しんごん)密教の付法相承の第三祖。真言宗では伝統的に大乗仏教の思想的大成者と目される龍樹(りゅうじゅ)(ナーガルジュナ)と同一視するが、大乗仏教の龍樹がはたして密教を説いたかどうかという点、また歴史上にその足跡をたどることのできる第五祖金剛智(こんごうち)との時代的な開きなどから、常識的には疑問もある。不空(ふくう)訳の『三十七尊出生義(しゅっしょうぎ)』や不空三蔵の伝記によれば、生存年数を数百歳とする。空海(くうかい)の『付法伝(ふほうでん)』にみる龍猛は、人間としての伝記ではなく、妙雲如来(みょううんにょらい)(あるいは遍覆初生(へんぷくしょしょう)如来)なる観自在菩薩(かんじざいぼさつ)の変化身(へんげしん)としての事跡が記されている。

[小野塚幾澄 2016年12月12日]

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精選版 日本国語大辞典の解説

りゅう‐みょう【龍猛】

龍樹のこと。真言宗で、付法八祖の一人としていう場合に用いる。

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