如来(読み)にょらい(英語表記)tathāgata

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

如来
にょらい
tathāgata

仏教用語。完全な人格者の意で,真理をよく理解して自分のものとし,迷界に下って衆生を救済する仏陀をさす。仏の十号の一つ。如来の尊称がつくのは釈迦如来薬師如来阿弥陀如来大日如来などで,超人間性を示す特徴として三十二相八十種好がある。

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世界大百科事典 第2版の解説

にょらい【如来】

サンスクリットのタターガタtathāgataの訳語。ほぼ仏陀の同義語として用いられる。tathāgataはtathā(〈そのように〉)とāgata(〈来たれる(者)〉)の合成語インド人は真理はあらゆる言語的表現を超えると考え,真理を指す最小限の表現として,たとえば〈それtat〉という言葉を用いる。〈そのように〉もこの種の表現であり,中国人は〈如〉と訳した。したがって〈如来〉とは,〈真理そのものとして来たれる者〉の意となる。

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大辞林 第三版の解説

にょらい【如来】

tathāgata 真理からやってきたもの、真理から生まれたものの意〕
〘仏〙 仏教上の最高の状態にある存在、すなわち仏のこと。仏の十号の一。 「釈迦-」 → 菩薩十号

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

如来
にょらい

釈迦(しゃか)の異名(これを「名号(みょうごう)」と称する)の一つ。サンスクリット語、パーリ語のタターガタtathgataの訳。原語は「修行完成者」「完全な人格者」を意味し、初めはバラモン教以外の出家者一般のうち、とくに優れた人への尊称として広く用いられたが、のちには仏教だけが用いるようになった。tath(「如」と訳され、真理・ありのままを表す)とgata(「来る」の意のアーガムgamの過去完了)の合成と解して「如来」と訳されたが、tathとgata(「行く」の意のガムgamの過去完了)の合成とも解され、その際には「如去(にょきょ)」の訳となる(チベット訳はこのほうをとっている)。釈迦の異名は数多くあり、そのうちとくに「十号」(10の名号)がよく知られているが、そのなかでもこの「真如から来て衆生(しゅじょう)を導く」意の「如来」は、もっとも尊ばれ親しまれた。のちに大乗仏教がおこり諸仏がたてられると、そのなかに、薬師如来や大日如来のように、如来名をとるものも現れる。[三枝充悳]

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世界大百科事典内の如来の言及

【化仏】より

…変化(へんげ)の仏,応化(おうけ)の仏の意で,人々を救済するために如来(仏)が別な姿で現れるその身をいう。仏教では如来の三身(法身,報身,応身)を説くが,その応身にあたる。…

【仏】より

…サンスクリットbuddhaの音訳〈仏陀〉の略語で,〈如来〉の語とともに仏陀を指す普遍的な用語である。したがって仏陀の教説が仏教であり,仏陀の像が仏像である。…

【仏像】より

…また仏陀の像のみを指す場合と,仏教の尊像すべてを総称して仏像と呼ぶ場合とがあり,前者を仏陀像,後者を仏教像として区別する必要がある。仏陀像は元来は仏教の開祖である釈迦仏に限られていたが,やがて過去仏や千仏の思想を生み,大乗仏教では阿弥陀,阿閦(あしゆく),薬師,毘盧遮那(びるしやな),大日(だいにち)などの仏陀(如来ともいう)が考え出された。また密教独得の特殊なものとして仏頂尊勝や仏母の信仰がある。…

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