日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
コンブ(Emile Combes)
こんぶ
Emile Combes
(1835―1921)
フランスの政治家。9月6日タルン県生まれ。トマス・アクィナスを研究する神学生であったが、30歳を過ぎてカトリシズムと決別した。地方の市長から、1885年急進社会党の上院議員となり、上院副議長、レオン・ブルジョア内閣文相を歴任し、1902年ワルデック・ルソーの後を受けて首相に就任した。コンブは、前内閣によって開始されたカトリック教会規制政策を発展、徹底させ、無認可修道会の解散、修道会の初等教育関与禁止を強行し、政教分離法を立案して成立まぎわまでもっていった。アンドレ陸相による軍部内非カトリック化の行き過ぎが非難されて、1905年辞職を余儀なくされた。しかしその反教権主義はコンビスムとよばれ、第三共和制下、一つの高揚の時代として記憶される。1921年5月25日没。
[石原 司]
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