ヒメザゼンソウ(姫坐禅草)(読み)ヒメザゼンソウ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ヒメザゼンソウ(姫坐禅草)
ヒメザゼンソウ
Symplocarpus nipponicus

サトイモ科多年草で,北海道,本州日本海側,朝鮮半島北部に分布し,湿地に生える。地下茎は短くて太く,多数出る根も太い。葉は根生し,外部のものは膜質で茎を包み,内部のものは長柄がある。葉身は長楕円形で長さ 10~20cm,幅7~13cm,鈍頭で基部は心形または切形,無毛で質は厚く,6月下旬には枯れる。花は6月,葉よりあとに出て,花序広楕円形で長さ約 10mm,包との間は約 3mmの柄となる。花序を包む仏炎包は頭巾状で長さ3~5cm,暗紫褐色を帯びる。花は両性で,花被片は4枚あり楕円形で長さ 1.5mm,横に内曲する。果実翌年の6月に熟し果序は 16~27mm。和名は小型のザゼンソウ (坐禅草)の意。

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世界大百科事典(旧版)内のヒメザゼンソウ(姫坐禅草)の言及

【ザゼンソウ(座禅草)】より

…また北アメリカではインディアンが食用に利用していたことがある。 よく似たヒメザゼンソウS.nipponicus Makinoは葉が狭卵形で,花期は初夏で,果実は翌年の開花期の前後に熟す。日本と朝鮮に分布する。…

※「ヒメザゼンソウ(姫坐禅草)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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