墨染めの(読み)スミゾメノ

デジタル大辞泉 「墨染めの」の意味・読み・例文・類語

すみぞめ‐の【墨染めの】

[枕]墨染めの色が暗いところから、「ゆふべ」「たそがれ」「くら」などにかかる。
「―夕べになれば」〈古今雑体
「―鞍馬の山に入る人は」〈後撰・恋四〉

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精選版 日本国語大辞典 「墨染めの」の意味・読み・例文・類語

すみぞめ‐の【墨染の】

  1. 墨染めの色が暗いという感じから、「夕べ」「たそがれ時」「おぼつかなし」などにかかる。
    1. [初出の実例]「いろにいでば 人しりぬべみ すみぞめの ゆふべになれば ひとりゐて あはれあはれと なげきあまり〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑体・一〇〇一)
  2. 墨染めの色が暗いの「くら」という音から、「くらま山」「くらぶの山」にかかる。
    1. [初出の実例]「すみぞめのくらまの山にいる人はたとるたとるも帰りきななん〈中興女〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)恋四・八三二)

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