明治大正詩史(読み)メイジタイショウシシ

デジタル大辞泉 「明治大正詩史」の意味・読み・例文・類語

めいじたいしょうしし〔メイヂタイシヤウシシ〕【明治大正詩史】

日夏耿之介ひなつこうのすけによる詩論。昭和4年(1929)、上下2巻と索引巻を刊行

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「明治大正詩史」の意味・わかりやすい解説

明治大正詩史
めいじたいしょうしし

日夏耿之介(こうのすけ)著。上下二巻。1929年(昭和4)新潮社刊。『中央公論誌上に発表された四つの評論、「日本近代詩の成立」(1922.10)、「日本近代詩の浪漫(ろうまん)運動」(1924.1)、「日本近代詩の象徴思潮」(1924.4)、「日本輓近(ばんきん)詩潮の鳥瞰(ちょうかん)景」(1925.6)を母胎としたもので、著者の象徴主義的詩観にたった個性的な詩史。36年に新潮社から普及版が出されたが、その後、三巻からなる改訂増補版(1948~49・創元社)、『日夏耿之介全集』第三巻(1975・河出書房新社)に収められた矢野峰人(ほうじん)校訂の決定版が刊行されている。

[窪田般彌]

『『日夏耿之介全集3』(1975・河出書房新社)』

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世界大百科事典(旧版)内の明治大正詩史の言及

【日夏耿之介】より

…第2詩集《黒衣聖母》(1921)でその詩風を確立,《咒文(じゆもん)》(1933)で詩業は終結するが,一方キーツをはじめとする英文学の造詣も深く,早大教授を務め,論文《美の司祭》(1939)で文学博士となり,かたわら《鷗外文学》(1944),《荷風文学》《谷崎文学》(ともに1950)などの評論活動も精力的に見せた。なかでも読売文学賞を得た《明治大正詩史》(初版1929)は歯に衣きせぬ手きびしい詩史の書として有名。大正期の自由な風潮のなかで,明治のハイカラな詩風を受けつぎながら,海外詩の知性を摂取し,しかも漢字多用の独創的な個性を存分に発揮した詩人である。…

※「明治大正詩史」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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