永取(読み)えいどり

精選版 日本国語大辞典 「永取」の意味・読み・例文・類語

えい‐どり【永取】

  1. 〘 名詞 〙 江戸時代の租税徴収法の一つ。金銭で納めさせるもの。関東地方天領では、畑が全耕地の八〇パーセントを越すほど多かったため、田畑ともに米の収穫量に直して年貢を掛けるという江戸時代の定法をとらないで、畑は最初から貨幣で年貢を割掛けた。この場合、関東地方の基本通貨である金は、小額貨幣がなかったため金一両を永一〇〇〇文と架空の貨幣を設けて計算した。
    1. [初出の実例]「関東方は年貢取かた、田は米取、畑は永どり定法」(出典:地方凡例録(1794)三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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