縁下の舞(読み)えんのしたのまい

精選版 日本国語大辞典 「縁下の舞」の意味・読み・例文・類語

えんのした【縁下】 の 舞(まい)

  1. 古く、陰暦三月二日(一説に二月二二日)に、大坂四天王寺の経供養に聖霊院で催された舞楽の称。《 季語・春 》 〔随筆・遠碧軒記(1675)〕
  2. ( 聖霊院の舞楽が、舞台上ではなく庭で、非公開で演じられたところから ) 人が見ていない所でむなしく苦労することのたとえ。
    1. [初出の実例]「椽の下の舞かや庭にとぶ蝴蝶〈親重〉」(出典:俳諧・犬子集(1633)一)

縁下の舞の補助注記

「夏山雑談」に「垣下(えんかのざ)とは舞楽等の時舞人、楽人などの着座する所也。〈略〉後世縁の下の舞と云ふは、垣下の舞をあやまりたるなるべしと或人のいへり」とある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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