垣下(読み)エンガ

デジタル大辞泉 「垣下」の意味・読み・例文・類語

えん‐が〔ヱン‐〕【垣下】

《「えんか」とも》
平安時代朝廷公卿などの恒例臨時行事供応の席に伺候した、正客以外の相伴の人。えが。かいもと。かいのもと。
垣下の舞」の略。
垣下の座」の略。

え‐が〔ヱ‐〕【垣下】

えんが」の撥音の無表記。
君達きんだちの、斎院の―にとて、日の装束さうぞくうるはしうして」〈・二二二〉

かい‐もと【垣下】

《「かきもと」の音変化》饗宴きょうえんのとき、正客以外の相伴しょうばんの人。また、その座。えんが。

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精選版 日本国語大辞典 「垣下」の意味・読み・例文・類語

えん‐がヱン‥【垣下】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「えんか」とも )
  2. 中古、朝廷や公卿の家で饗応があるときの、正客の相伴の役。また、その役の人。えが。かいもと。かいのもと。
    1. [初出の実例]「尊者被物引出物如昨、垣下親王同昨、即参殿」(出典:九暦‐九暦抄・天暦三年(949)正月一二日)
    2. 「ゑんかのみこ達、上達部、〈略〉集ひ給ひける」(出典:源氏物語(1001‐14頃)宿木)
  3. えんが(垣下)の舞」の略。
    1. [初出の実例]「殿上人垣下して唐人の遊びのごとく」(出典:今鏡(1170)六)

え‐がヱ‥【垣下】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「えんが」の撥音「ん」の無表記 )
  2. えんが(垣下)
    1. [初出の実例]「かづけもの、ゑがの御子たちに赤朽葉に花ふれうの小袿(こうちぎ)」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
  3. えが(垣下)の舞」の略。
    1. [初出の実例]「えがにはゆきまさ、〈略〉そこらのあそび人どもにます人なくあそぶ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)嵯峨院)

かい‐もと【垣下】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「かきもと」の変化した語 ) 饗応のとき、正客以外の相伴の人。また、その座。えんが。
    1. [初出の実例]「いなや、君を聞こゆるにはあらず。あいなきかいもとかな」(出典:宇津保物語(970‐999頃)内侍督)

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普及版 字通 「垣下」の読み・字形・画数・意味

【垣下】えんか

かきね。

字通「垣」の項目を見る

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