化学辞典 第2版 「1,2-ジクロロエタン」の解説
1,2-ジクロロエタン
ジクロロエタン
1,2-dichloroethane
C2H4Cl2(98.96).CH2ClCH2Cl.塩化エチレン,二塩化エチレンともいう.EDCと略記する.脂肪族ハロゲン化炭化水素の一つ.異性体として1,1-ジクロロエタンがあるが,二塩化エチレンというときには,一般に1,2-ジクロロエタンをさす.工業的には,エテンと塩素および酸素からオキシ塩素化法により合成される.2個のCl原子がそれぞれ異なるC原子と結合しているため,トランス形とゴーシュ形の回転異性体をもつ.快香,甘味を有する無色の重い液体.融点-42.0 ℃,沸点83.7 ℃.1.28034.1.44432.エタノール,エーテルに易溶,水に微溶.エテンを出発原料とする塩化ビニルモノマー製造の中間体で,熱分解(500 ℃)して塩化ビニルを生成する.ほかに溶剤としても用いられる.[CAS 107-06-2]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報