化学辞典 第2版 「二軸性結晶」の解説
二軸性結晶
ニジクセイケッショウ
biaxial crystal
光軸を二つもつ結晶.斜方晶系,単斜晶系,三斜晶系の結晶がこれに属する.この結晶の屈折率だ円体は,図のように長さの異なる三つの主軸をもっている.各主軸方向の屈折率は主屈折率とよばれ,α,β,γで表し,
α < β < γ
の関係で定義する.斜方晶系では,結晶軸はこの主軸のどれかとそれぞれ一致し,単斜晶系では一つの結晶軸だけがこの主軸のどれかと一致するが,三斜晶系ではどれも一致しない.この二つの光軸の間の角を光軸角といい,そのうちのγ方向の角を2Vと表す.V < 45°の結晶を正結晶といい,V > 45°の結晶を負結晶という.V = 0°(α = β = ω < γ = ε)とすれば,一軸性結晶の正結晶の場合になり,V = 90°(α = β = ω < γ = ε)とすれば,一軸性結晶の負結晶の場合になる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報