三斜晶系(読み)さんしゃしょうけい(英語表記)triclinic system

精選版 日本国語大辞典 「三斜晶系」の意味・読み・例文・類語

さんしゃ‐しょうけい ‥シャウケイ【三斜晶系】

〘名〙 結晶系一つ。長さが異なり、互いに斜めに交わる三本結晶軸をもつもの。〔鉱物字彙(1890)〕

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デジタル大辞泉 「三斜晶系」の意味・読み・例文・類語

さんしゃ‐しょうけい〔‐シヤウケイ〕【三斜晶系】

結晶系の一。長さの異なる3本の結晶軸が互いに斜めに交わるもの。斜長石トルコ石などにみられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「三斜晶系」の意味・わかりやすい解説

三斜晶系
さんしゃしょうけい
triclinic system

晶系の一つ。原則として斜交する異なった長さの3軸を軸配置としてもつもの。結晶系のうちではもっとも低対称である。対称心有無によって、完面像半面像の2晶族に二分され、空間群P (Ci1) およびP1 (C11) がそれぞれ対応する。組成あるいは分子構造の複雑な有機化合物金属錯体についてみられることが多く、一方常温固体元素にはこの晶系のものはない。なお、鉱物中約8%がこれに属する。

[岩本振武 2015年7月21日]

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百科事典マイペディア 「三斜晶系」の意味・わかりやすい解説

三斜晶系【さんしゃしょうけい】

軸率a:b:cの斜交3軸の座標系結晶軸)で記載される一群結晶。物理的に異方性で,光学的二軸性。対称性は最も低く,形態は卓面(対称心で支配される1対の面)の組合せ基本斜長石がその代表例。→結晶系

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化学辞典 第2版 「三斜晶系」の解説

三斜晶系
サンシャショウケイ
triclinic system

結晶系の一種.三つの結晶軸がすべて斜交し,各結晶軸の長さが互いに異なる単純三斜格子(abc,α ≠ β ≠ γ ≠ 90°)で単位格子が記述されるものをいう.結晶の点群対称要素としては,1回回転軸または1回回反軸(対称心)だけしかもたない,対称要素のもっとも少ない結晶系である.[別用語参照]ブラベ格子

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三斜晶系」の意味・わかりやすい解説

三斜晶系
さんしゃしょうけい
triclinic system

結晶系の1つで最も対称性が低い。結晶軸の長さも軸角もすべて異なる。石膏,長石類,ナイロンなどがこれに属する。屈折率などの物理的性質に異方性を示す二軸結晶である。

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