知恵蔵 「2009年問題」の解説
2009年問題
1985年に施行・公布された「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」(通称「労働者派遣法」)は、労働者派遣が許される業務を26の専門的業務に限定していた。99年の法改正により労働者派遣は原則自由となったが、「物の製造現場」への派遣は禁じられていた。2003年の法改正で製造業派遣が解禁され、07年3月1日より派遣可能期間も最長3年間に延長された。この間、06年には、キヤノン、トヨタ、いすず自動車、松下(現パナソニック)などの大企業グループにおける偽装請負が社会問題化し、派遣法の期間延長を見込んだ多くの企業が、請負から派遣へと雇用形態を切り替えていた(その要因は、請負と異なり派遣社員に対しては、正社員が直接業務上の指揮命令ができることが挙げられる)。この時大量に結ばれた派遣契約が、09年度中に切れることになる。
(秋津あらた ライター / 2009年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報