三たび肘を折って良医となる(読み)みたびひじをおってりょういとなる

故事成語を知る辞典 の解説

三たび肘を折って良医となる

苦しい体験を積んで、はじめて円熟した人間になることのたとえ。

[由来] 「春秋左氏伝―定公一三年」に出て来るエピソードから。紀元前四九七年、春秋時代の中国でのこと、しんという国で、はん氏とちゅうこう氏という貴族反乱を起こそうとしたことがありました。このとき、自分自身も祖国で反乱を起こそうとして失敗し、晋に亡命してきていたある人物が、「民衆支持を得ないで反乱を起こすのは危うい」と忠告します。その際に用いたたとえが、「三たびひじを折りて良医るを知る(何度も自分の腕を折っては自分で治すというような苦しい経験を重ねてこそ、よい医者になる方法がわかるものだ)」。つまり、自分自身の失敗体験を踏まえての忠告だったわけですが、范氏と中行氏は聞き入れず、案の定、反乱は失敗してしまったということです。なお、「三」は、ここでは回数が多いこと。「肱」は、「ひじ」と訓読みしますが、腕を指します。また、「三たび肱を折る」については、何度も他人の腕を折ってしまうという失敗をする、という意味だという解釈もあります。

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