AKB48(読み)えーけーびーふぉーてぃえいと(英語表記)AKB48

知恵蔵 「AKB48」の解説

AKB48

秋元康氏によるプロデュースで2005年に誕生した女性アイドルグループ。「秋葉原で新しいアイドルを劇場から作ろう」というコンセプトでプロジェクトが立ち上がり、同年7月に第1期メンバーの募集が始まる。8月には秋葉原ドン・キホーテ8階にAKB48劇場を作ることが決定した。10月に実施された第1回オーディションには7924人が応募し、最終審査に45人が選出され、その中から最終オーディションで24人が合格した。AKB48劇場は、12月にグランドオープンしたが、当初観客は関係者を含めて72人だった。公演を100回観るとMVPTシャツとメンバー全員との写真撮影ができるという特典をつけた、いわゆるAKB48商法が始まる。
翌06年2月にはインディーズデビューシングル「桜の花びらたち」が発売され、オリコンチャートで初登場、第10位に輝く。女性アーティストとしては8年ぶりの快挙となる。
AKB48のコンセプトは「会いに行けるアイドル」で、その名の通りAKB専用劇場で毎日ステージを行っている。メンバーの多くはオーディションで合格してから短期間で歌やダンスをマスターしている。また、グループが大人数なため通常はチームA(16人)、チームK(16人)、チームB(17人)、2011年6月に発足したチーム4 (10人)に分かれて活動し、さらに研究生(21人)(2011年6月6日現在)が在籍。現在は11期生。
発売されるCDアルバムには握手会に参加できる権利がつくなどの特典があるのが特徴で、特典目当てに複数買いをするファンも多く、CD業界の不況にもかかわらず売り上げを伸ばしている。例えば08年10月に発売されたメジャー10作目のシングル「大声ダイヤモンド」(キングレコード)はオリコンチャート初登場第3位、第2週が11位と健闘。発売記念握手会には、4千人のファンが集まった。音楽以外にも各メンバーがドラマや映画出演、雑誌連載、写真集発売など幅広く活躍している。11年3月に起こった東日本大震災の被災者に対しては同月14日に「AKB48プロジェクト義援金」を発足させ、広く協力を募集。メンバー以外にもスタッフや総合プロデューサーの秋元康氏も寄付を寄せている。
新曲を歌うメンバーをファン投票で決める総選挙も、AKB48の特徴として有名。第1回は09年、第2回は10年に行われた。第3回では、11年5月発売の21作目のシングル「Everyday、カチューシャ」に投票権がつき、11年8月に発売予定の22作目のシングルでの21人の選抜メンバーを選ぶ。姉妹ユニットであるSKE48、NMB48のメンバーも含め過去最大の150人が出馬し、5月24日午前10時に投票が開始された。投票は6月8日午後3時に締め切られ、結果は前回惜しくもトップを逃した前田敦子が1位に返り咲き、前回トップだった大島優子が2位、3位は柏木由紀に決定。開票の様子は6月9日、東京・日本武道館で発表され、その模様は全国83カ所のスクリーン上で生中継、香港でも3カ所で中継された。なお、この楽曲「Everyday、カチューシャ」は発売2日で108.5万枚を売り上げるヒットで、オリコンによると発売第1週でのミリオン達成はアイドル史上初の快挙だという。

(金廻寿美子  フリーライター  / 2011年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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