日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
G線上のアリア(ゲーせんじょうのアリア)
げーせんじょうのありあ
Arie auf G
バイオリン独奏曲。英語式に「ジーせんじょう~」とよばれることが多い。ヨハン・セバスティアン・バッハの管弦楽組曲第3番(BWV1068)の第2曲エールairを、19世紀の名バイオリニスト、ウィルヘルミがピアノ伴奏付きバイオリン独奏用に編曲した小品(1871)。原曲のニ長調はハ長調に移調され、旋律はバイオリンのもっとも低い弦(4番線=G線)のみで演奏される。「アリア」(エール)とは旋律的要素が強い小品の名称で、編曲の際にレント・エ・モルト・エスプレッシーボ(ゆったりと、きわめて表情豊かに)というテンポと発想の指定がなされた。
[三宅幸夫]