知恵蔵 「IoT」の解説
IoT
例えば家庭においては、テレビや冷蔵庫、エアコンなどの電化製品が外出先からコントロールできることなどを指す。他にも、電力メーターがインターネットに接続されれば、電力使用量の収集が自動化され、電力会社は、それら使用量に基づいた発送電コントロールが可能にもなる。
医療現場においては、病院や自宅にある医療機器がインターネットで接続されることで、患者の情報をセンサーで共有できることなどを指す。在宅介護中の患者の情報を自宅から病院に送信することや、異なる病院間で様々な専門医が患者の情報を共有することもできる。このため、在宅医療や遠隔医療が可能となる。
自動車においては、車に搭載されたセンサーや、道路に設置されたカメラなどがインターネットと接続されることで、車同士の情報交換が行えることなどを指す。渋滞などの道路情報の他に、道路の先の障害物情報や天候情報など、運転に関する様々な情報を知ることができる。
米国調査会社のガートナー社は、「2020年には300億個の多種多様なモノがインターネットにつながり、IoTによる経済価値は、1兆9000億ドルに及ぶ」と予測しており、様々な企業や業種において、IoTによる生産性や品質の向上が期待されている。しかし、セキュリティーの確保や、標準化、異なる機器間の相互接続や、大量のデータによるネットワークの負荷軽減などといった、各種の課題も残っている。
(横田一輝 ICTディレクター / 2014年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報