化学辞典 第2版 「L-システイン」の解説
L-システイン
システイン
L-cysteine
2-amino-3-mercaptopropionic acid.C3H7NO2S(121.06).略号CysまたはC.含硫アミノ酸の一つ.タンパク質構成アミノ酸として広く分布しているが,シスチンの形で含まれることが多い.しかし,酵素分子中でチオール基が活性中心としてはたらくこともある.シスチンから液体アンモニア中ナトリウムで還元すると得られる.天然のR(L)形は分解点178 ℃.
-16.5°(水).pK1 1.71,pK2 8.33,pK3 10.78.水,エタノール,氷酢酸,アンモニア水に易溶,ほかの有機溶媒に難溶.微量の金属の存在下ではとくに不安定で,空気酸化されてシスチンにかわる.解毒剤や食用補剤に用いられる.LD50 1890 mg/kg(ラット,経口).[CAS 52-90-4]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報