SPECT・PET

  • SPECT・PET(画像診断学)

内科学 第10版の解説

(5)SPECT・PET
 体内に注入したRIから発する放射線を体外の種々の方向から計測し,コンピュータによる画像再構成を行って人体の断層面でのRIの分布をみるものである.対象とする核種は201TI,99mTcなどの単光子ガンマ線放出核種である.ガンマカメラ回転型が日常診療に用いられる.コリメーターとNaIシンチレーション検出器,位置とエネルギー選別の電子回路,画像収集および表示装置などがある.コリメーターには小さな孔が空いており,この孔を通過したガンマ線のみが検出器に到着し,そのエネルギーに応じたシンチレーションを発光し電子回路によってエネルギー選択,検出器の発光場所を検出し,画像化する.
 脳血流測定には123I-IMP,99mTc-HMPO,99mTc-ECDが用いられる.これらの物質は正常なBBBを通過し初回循環で脳に取り込まれ代謝されて比較的安定な物質となって脳内にとどまる.123I-IMPはかなりの量が肺に蓄積し,徐々に洗い出されるため脳の放射能は次第に増加し,いわゆる再分布現象を呈する.一方,99mTc-HMPO,99mTc-ECDでは再循環は存在しないと考えられている.脳虚血の診断,部分てんかん,脳変性疾患の診断に有用な情報が得られる.たとえば,側頭葉てんかんでは非発作時に撮像されたSPECTにて焦点側が血流低下を示す.また,Alzheimer病などでは側頭葉および頭頂葉の血流低下を認める.
 PETはポジトロン(陽電子)が消滅する際に180度反対方向に放出される消滅放射線から人体の断層像を得る方法である.イメージの定量性にすぐれている.18F-FDG(フルオロデオキシグルコース)はグルコース代謝を知るために用いられ,Alzheimer病では頭頂葉が低下しており,てんかんの焦点では発作時には高血流,高代謝,非発作時には低代謝,低血流として描出される.現在では頭蓋外の腫瘍の検出におもに用いられている.[柳下 章]
■文献
青木茂樹,堀 正明,他:造影CTが必要とされる症例2.脳脊髄領域.日獨医報,56: 80-92, 2011.
Dillon WP: Neuroimging in neurologic diseases. In: Harrison’s Principles of Internal Medicine 16th ed (Longo DL, Kasper DL, et al eds), pp3240-3250, McGraw-Hill, New York, 2012.
井田正博,菅原俊介,他:MRI T2強調画像と神経疾患 susceptibility-weighted imagingと脳血管障害.神経内科,69: 251-260, 2008.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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