光学系の光軸に平行に入射した光線が光軸上の1点に集まり、または光軸上の1点から出た光線が光学系を通過したのちに光軸に平行に進むとき、これらの光軸上の点のことを焦点という。前者を像空間焦点または後側焦点(こうそくしょうてん)といい、後者を物空間焦点(ぶつくうかんしょうてん)または前側焦点(ぜんそくしょうてん)という。主点から焦点までの距離を焦点距離といい、光学系の性能を表す重要な量である。太陽の光を凸レンズに当てると、レンズを通過した光は焦点に集まり、この点に黒紙を置くと煙が生じ、場合によっては燃え始めるところから、焦点という名が生じた。球面鏡では二つの焦点は一致し、鏡面の頂点と曲率中心とのちょうど中間に存在する。凸面鏡の場合には、曲率中心が鏡の後方にあるため、焦点も鏡の後方にある。レンズ系の場合には、二つの焦点は一致せず、凸レンズの場合にはその名のとおり、前側焦点はレンズの前側、後側焦点はレンズの後側に存在するが、凹レンズでは反対になる。薄レンズの場合には、二つの主点はレンズの中心に一致するから、焦点距離はレンズの中心から焦点までの距離ということになる。なお、一般に像点のことを焦点(フォーカス)ということがあるが、これは無限遠点に対する像点が焦点であることから転じた用語法と思われ、厳密な意味での焦点と混同しないことが必要である。
[三宅和夫]
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…(5)ウンベルリヒト=ルントボルク症候群 家族性進行性ミオクローヌス癲癇ともいわれるが,本態はラフォラ小体が証明される脳遺伝性疾患,黒内障白痴のような脳の脂質代謝障害,非特異的脳変性疾患など脳の進行性疾患であり,癲癇の概念からはずすべき症候群である。
[部分癲癇]
発作の初発症状と脳波所見が局在性脳障害を現す癲癇をいう(この場合,局在性脳障害が異常な興奮の源となって発作を生じるので,このような限局性の脳障害部位を癲癇の焦点focusという)。意識減損のない単純部分発作を示すものと意識減損のある複雑部分発作を示すもの,および,これから大発作に発展するものがある。…
…球面の内面を反射面とする凹面鏡concave mirrorと球面の外面を反射面とする凸面鏡convex mirrorがある。鏡面の中心(鏡心)Mと球面の中心(球心)Oを通る直線を光軸といい,光軸の近くで光軸に平行に入射した光線およびその延長線はほぼ焦点Fに集まる。焦点の位置はOMの中点であり,焦点距離f(MF)は球面の曲率半径をrとすれば,f=r/2である。…
…平面上で,2定点F,F′からの距離の差が正の定数であるような点によって描かれる図形を双曲線といい,FとF′をその焦点という。定数を2aとし,線分FF′の長さを2cとするとき,e=c/a(>1)を離心率という。…
…固有な二次曲線は,また,平面上で1定点と1定直線からの距離の比が一定な点の描く図形ともいえる。この定点を焦点,定直線を準線といい,一定な比の値を離心率という。離心率が1より小さいか,1より大きいか,1に等しいかに応じて,曲線は楕円,双曲線,放物線になる。…
…
[薄い単レンズ]
厚さを無視できる薄い単レンズを考え,光軸に平行な平行光線を物体側から入射させると,レンズを通過した光線,あるいはその逆向きの延長線が光軸上の1点を通る。この点をレンズの後側焦点といい,レンズの中心から後側焦点までの距離f′を後側焦点距離という(図1)。平行光線を逆向きに入射させれば,後側焦点の反対側に前側焦点を定義できる。…
※「焦点」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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少子化とは、出生率の低下に伴って、将来の人口が長期的に減少する現象をさす。日本の出生率は、第二次世界大戦後、継続的に低下し、すでに先進国のうちでも低い水準となっている。出生率の低下は、直接には人々の意...
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