コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

焦点 しょうてんfocal point; focus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

焦点
しょうてん
focal point; focus

レンズ球面鏡のような回転対称の光学結像系の光軸平行に入射した光線束が,屈折または反射後に,光軸上の1点に集る点。逆に,この点から出た発散光線束光学系を通過したのち光軸に平行に進む。前者を像空間焦点,後者を物空間焦点と呼んで区別することもある。

焦点
しょうてん
focus

二次曲線は,定点への距離と定直線への距離の比が一定ということで特徴づけられる。この定点を焦点,定直線を準線という。楕円においては,2つの焦点から楕円上の点への距離の和が一定,双曲線においては,2つの焦点から双曲線上の点への距離の差が一定になる。また楕円の焦点から発した光が楕円に反射するともう1つの焦点を通り,放物線の場合は焦点から発した光は反射すると軸に平行になり,双曲線の場合は他の焦点から発したように散乱する。射影幾何では無限遠直線上の虚の2点 (虚円点) を通る接線の交点を考えることができ,この場合は実の焦点が2つと虚の焦点が2つあることになる。放物線は,実の焦点2つのうちの一方が無限遠にいった場合にあたる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

しょう‐てん〔セウ‐〕【焦点】

レンズ球面鏡で、光軸に平行な入射光線が集中する一点。または入射光線が発散する場合、発散の原点と考えられる点。太陽の光を凸レンズで集めると、この点に置いた黒い紙が焦げるところからいう。
楕円双曲線放物線を、定点定直線からの比が一定である点の軌跡として位置づけるときの、定点。
人々の注意や関心の集まるところ。また、物事のいちばん重要な点。「話の焦点を絞る」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版の解説

しょうてん【焦点 focus】

(1)光学系の焦点。無限遠にある物体がレンズ,あるいは球面鏡によって結像する平面を焦点面と呼び,その光軸との交点を焦点という。像点のことを焦点という場合もある。厳密には近軸光に対して定義されるもので,光軸に平行に入射した光線束が光学系を通過後,軸上の1点F′で交わったとき,F′を像側焦点,一方,像空間から平行光を入射させたとき物体側で収束する点Fを物体側焦点という。 焦点距離focal lengthとは焦点と主点の距離をいい,ふつう焦点から見て主点の方向が光線の方向と一致するときを正とする。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

しょうてん【焦点】

鏡・レンズなどで、光軸に平行な光線が反射あるいは屈折して集まる一点。また、そこから出た光線が鏡やレンズを通ったあと光軸に平行に進むような一点。
〘数〙 円錐曲線を作る基本となる定点。円錐曲線は焦点と定直線(準線)からの距離の比が一定な点全体の集合。
人々の関心や注意が集まるところ。また、物事の中心となるところ。 「 -の定まらない議論」
将棋で、二つ以上の駒が利いている点。 〔オランダ語 brandpunt を brand (燃える)と punt (点)とに分け、漢字をあてた訳。「英和対訳袖珍辞書」(1862年)には focus の訳語として「焼点」が載る。「焦点」の表記は明治中期に定着したと考えられる〕
[句項目]

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

焦点
しょうてん
focus

光学系の光軸に平行に入射した光線が光軸上の1点に集まり、または光軸上の1点から出た光線が光学系を通過したのちに光軸に平行に進むとき、これらの光軸上の点のことを焦点という。前者を像空間焦点または後側(こうそく)焦点といい、後者を物(ぶつ)空間焦点または前側(ぜんそく)焦点という。主点から焦点までの距離を焦点距離といい、光学系の性能を表す重要な量である。太陽の光を凸レンズに当てると、レンズを通過した光は焦点に集まり、この点に黒紙を置くと煙が生じ、場合によっては燃え始めるところから、焦点という名が生じた。球面鏡では二つの焦点は一致し、鏡面の頂点と曲率中心とのちょうど中間に存在する。凸面鏡の場合には、曲率中心が鏡の後方にあるため、焦点も鏡の後方にある。レンズ系の場合には、二つの焦点は一致せず、凸レンズの場合にはその名のとおり、前側焦点はレンズの前側、後側焦点はレンズの後側に存在するが、凹レンズでは反対になる。薄レンズの場合には、二つの主点はレンズの中心に一致するから、焦点距離はレンズの中心から焦点までの距離ということになる。なお、一般に像点のことを焦点(フォーカス)ということがあるが、これは無限遠点に対する像点が焦点であることから転じた用語法と思われ、厳密な意味での焦点と混同しないことが必要である。[三宅和夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の焦点の言及

【癲癇】より

…(5)ウンベルリヒト=ルントボルク症候群 家族性進行性ミオクローヌス癲癇ともいわれるが,本態はラフォラ小体が証明される脳遺伝性疾患,黒内障白痴のような脳の脂質代謝障害,非特異的脳変性疾患など脳の進行性疾患であり,癲癇の概念からはずすべき症候群である。
[部分癲癇]
 発作の初発症状と脳波所見が局在性脳障害を現す癲癇をいう(この場合,局在性脳障害が異常な興奮の源となって発作を生じるので,このような限局性の脳障害部位を癲癇の焦点focusという)。意識減損のない単純部分発作を示すものと意識減損のある複雑部分発作を示すもの,および,これから大発作に発展するものがある。…

【球面鏡】より

…球面の内面を反射面とする凹面鏡concave mirrorと球面の外面を反射面とする凸面鏡convex mirrorがある。鏡面の中心(鏡心)Mと球面の中心(球心)Oを通る直線を光軸といい,光軸の近くで光軸に平行に入射した光線およびその延長線はほぼ焦点Fに集まる。焦点の位置はOMの中点であり,焦点距離f(MF)は球面の曲率半径をrとすれば,fr/2である。…

【双曲線】より

…平面上で,2定点F,F′からの距離の差が正の定数であるような点によって描かれる図形を双曲線といい,FとF′をその焦点という。定数を2aとし,線分FF′の長さを2cとするとき,ec/a(>1)を離心率という。…

【二次曲線】より

…固有な二次曲線は,また,平面上で1定点と1定直線からの距離の比が一定な点の描く図形ともいえる。この定点を焦点,定直線を準線といい,一定な比の値を離心率という。離心率が1より小さいか,1より大きいか,1に等しいかに応じて,曲線は楕円,双曲線,放物線になる。…

【レンズ】より


[薄い単レンズ]
 厚さを無視できる薄い単レンズを考え,光軸に平行な平行光線を物体側から入射させると,レンズを通過した光線,あるいはその逆向きの延長線が光軸上の1点を通る。この点をレンズの後側焦点といい,レンズの中心から後側焦点までの距離f′を後側焦点距離という(図1)。平行光線を逆向きに入射させれば,後側焦点の反対側に前側焦点を定義できる。…

※「焦点」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

焦点の関連キーワードメカニカルコンペンセーターアウト・オブ・フォーカスフォーカシングスケールトリフォーカルレンズコンティニュアスAFコンバージョンレンズバイフォーカルレンズコンフォーカル顕微鏡共焦点レーザー顕微鏡短焦点プロジェクターバリフォーカルレンズ共焦点走査型顕微鏡オートフォーカスフォーカスロックソフトフォーカス累進焦点レンズ二重焦点レンズ超望遠レンズ三焦点レンズピントグラス

今日のキーワード

天網恢恢疎にして漏らさず

《「老子」73章から》天の張る網は、広くて一見目が粗いようであるが、悪人を網の目から漏らすことはない。悪事を行えば必ず捕らえられ、天罰をこうむるということ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

焦点の関連情報