日本大百科全書(ニッポニカ) 「コリメーター」の意味・わかりやすい解説
コリメーター
こりめーたー
collimator
点光源から発散する光束を平行光束に変える装置。視準器または視準儀ともいう。望遠鏡の対物レンズまたは対物鏡が用いられる。望遠鏡では無限遠からの平行光束を1点に集光させるが、コリメーターはその逆の作用をする。レンズ・コリメーターでは用途に応じて色消しレンズがそのまま用いられる。凹面鏡を用いるときは光源位置が平行光束の中にくるから、小口径の平面鏡を用いて平行光束の外に置いた点光源から光を送り込む(逆ニュートン式)か、あるいは凹面鏡に軸外放物面鏡を用いるなどのくふうを要する。分光器のコリメーター、子午環(しごかん)などで望遠鏡の視準軸を決めるのに用いられるコリメーター、レンズや鏡の製作時の面の検査、あるいはレンズや鏡の使用時の光学軸の調整など多方面の用途がある。検査器具としては、平行光束を鏡などで反射させコリメーター自身で観察するが、これをオート・コリメーターという。
[山下泰正]