X線観測衛星(読み)エックスセンカンソクエイセイ(その他表記)satellite for X-ray observation

デジタル大辞泉 「X線観測衛星」の意味・読み・例文・類語

エックスせん‐かんそくえいせい〔‐クワンソクヱイセイ〕【X線観測衛星】

X線天文衛星

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「X線観測衛星」の意味・わかりやすい解説

X線観測衛星
エックスせんかんそくえいせい
satellite for X-ray observation

宇宙からくる X線を検出するためにつくられた人工衛星。地球大気は X線を通さないので,宇宙X線を検出するにはロケット,気球,人工衛星を利用して大気圏外に出る必要がある。長期間にわたって X線を観測するには人工衛星が最適で,X線観測用に多くの人工衛星が打ち上げられた。X線観測衛星は,X線源の方向を知り撮像する X線カメラ,X線のエネルギー分布を測定するスペクトル計,衛星の姿勢を知るためのセンサ,送信器および太陽電池などからできている。X線天文学に画期的な進歩をもたらした衛星は 1970年に打ち上げられた『ウフル』Uhuruで,161個の X線源を見つけ出し,X線源の多くが中性子星ブラックホール一員とする近接連星であること,また,電波銀河クエーサー銀河団が X線を放出していることなどを明らかにした。X線新星や X線バーストの存在も明らかになった。アメリカ合衆国が 1979年に打ち上げたアインシュタインX線天文台は画期的な撮像データをもたらした。日本では 1979年に衛星『はくちょう』が打ち上げられ,多くの X線バースターを見つけた。その後も『すざく』など多数の X線観測衛星が打ち上げられている。

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