X線バースター(読み)エックスセンバースター

デジタル大辞泉 「X線バースター」の意味・読み・例文・類語

エックスせん‐バースター【X線バースター】

X線強度が数秒から数百秒の間に10倍以上増加するX線天体近接連星系をなす磁場の弱い中性子星伴星からガスが流れ込み、中性子星表面で爆発的な核融合反応が起こることによってX線が発せられると考えられている。X線パルサーと異なり、パルス状の放射は見られない。またこのようなX線の増光現象X線バーストという。

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百科事典マイペディア 「X線バースター」の意味・わかりやすい解説

X線バースター【エックスせんバースター】

突然爆発的にふだんの強度の10倍を超えるX線を放射する天体。ふつうは数十秒で元に戻る。この現象はX線バーストと呼ばれている。X線バースターは中性子星と質量の小さい普通の星からなる近接連星系で,バーストによるX線強度の低下とともにX線スペクトルに基づいて出した放射体の温度が低くなるものと,温度がほとんど変わらないものとの二つのタイプがある。
→関連項目X線星

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知恵蔵 「X線バースター」の解説

X線バースター

X線バースト(X線光度が急に10倍以上増す現象)を起こす特異X線星。バーストは温度が2000万〜3000万K(ケルビン)の熱放射だと考えられている。中性子星と普通の星が連星系を作っており、普通の星の外層大気のガスが中性子星の表面に降り積もり、その量が限度を超えると核融合反応が始まり、X線バーストになると考えられている。現在までに数十個発見されている。

(谷口義明 愛媛大学宇宙進化研究センターセンター長 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

世界大百科事典(旧版)内のX線バースターの言及

【天文学】より

…はくちょう座X‐1星は,ブラックホールに連星の相手方の星から出た質量が落ち込む過程で,円盤状になって回転する高温のガスからX線を出している系と考えられている。しかし,X線パルサーの大部分は,ブラックホールよりは中性子星が本体をなしており,X線バースターと呼ばれる種類もある。同様な構造でも本体が白色矮星になると,激変量や新星のモデルになると考えられる。…

※「X線バースター」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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