日本大百科全書(ニッポニカ) 「AVE」の意味・わかりやすい解説
AVE
あべ
スペインの高速列車。Alta Velocidad Españolaの略。1992年のセビーリャ万国博覧会にあわせて、マドリード―コルドバ―セビーリャ間471キロメートルの高速新線が開業し、新線用の高速列車としてフランスの高速鉄道TGV(テージェーベー)の車両を導入した。TGV大西洋線車両とほぼ同じ車両で、最高時速300キロメートルで運行している。その後、2008年までに、コルドバ―マラガ間、マドリード―サラゴサ―バルセロナ間、サラゴサ―ウエスカ間、マドリード―クエンカ―バレンシア間、クエンカ―アルバセテ間およびマドリード―セゴビア―バリャドリード間が開業し、2007年には、最高運転時速350キロメートルの性能を持つドイツの高速車両ヴェラーロを導入した。このほか、標準軌の高速新線と広軌在来線をまたがって、軌間可変式の1軸連節列車タルゴTALGOも最高時速330キロメートルで運行されている。
スペインは広軌1668ミリメートルを採用しているが、新線は1435ミリメートルの標準軌としている。将来、マドリードからバルセロナを経由して、TGVと直通運転を行う構想がある。
[佐藤芳彦]