d-d吸収帯(読み)ディーディーキュウシュウタイ

化学辞典 第2版 「d-d吸収帯」の解説

d-d吸収帯
ディーディーキュウシュウタイ
d-d absorption band

遷移金属錯体において,中心金属d軌道がおもに関与する電子準位間の吸収帯のこと.中心金属d軌道は配位子場で分裂し,また電子間反発により,d電子配置のエネルギーはさまざまである.横軸に配位子場の強さ,縦軸に(d,d*)準位のエネルギーを示した図を田辺-菅野の準位図という.第一遷移金属原子では,基底状態からこれらの状態への吸収は可視部領域にあり,遷移金属錯体が着色している原因になっている.パリティ禁制であるが,スピン許容遷移ではモル吸光係数が100 mol-1 dm3 cm-1 程度であり,スピン禁制遷移では10以下である.配位子場の強さがスピン許容遷移から求められており,分光化学系列として知られている.また,電子間反発エネルギーも見積もられている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

機械メーカー。トヨタグループの総本家で,繊維機械のほかトヨタ自動車からの小型商用車の受託生産,エンジンその他の自動車部品,フォークリフトなどの産業用車両の生産も行なう。1926年豊田佐吉が,みずから発...

豊田自動織機の用語解説を読む