FCT

日本の自動車技術240選 「FCT」の解説

FCT(フィンガーコントロールトランスミッション)

フィンガーコントロールトランスミッション(FCT:Finger Control Transmission)リアエンジンバスの機械式リンク気候による変速操作において、シフトレバーの位置を電気信号に置き換え、同信号に基づきトランスミッションの切り替えを空気圧を用いて行う事によりシフト切り替えを極めて容易にし、運転者の疲労を軽減させると共にリンク機構の重量軽減を図った。また、操作には擬似反力を持たせ、運転者の違和感をなくし、更にミスシフト防止機構、システム故障時の走行確保など入念なフェイルセーフ機構も組み込まれている。本、FCTは10年以上にわたる基礎研究と数次の試作・実用試験を経て、1983年11月に大型路線バスMPシリーズに採用され、特に運転者の高齢化対策と相俟って好評を得、翌年には大型観光バスにも採用された。保管場所三菱自動車工業(株) 三菱ふそうトラック・バスカンパニー トラック・バス技術センター 管理部(〒211-0023 神奈川県川崎市中原区大倉町10番地)
製作(製造)年1983
製作者(社)三菱重工業(株)
資料の種類文献
現状保存・公開
会社名三菱自動車工業㈱
適用車種大・中型リアエンジンバス
製作開始年1983
構造・方式・手段・方法等従来の機械式コントロール機構を電気-空気式コントロール機構に置き換えたもので、作動方法としては、チェンジレバーに加えた手の力でチェンジレバーユニットのスイッチを作動させ、電気信号に換えてコントロールボックスに伝える。コントロールボックスはチェンジレバーからの変速信号をギアシフトユニットのマグネットバルブに伝え圧縮空気のギアを作動させる。
機能・作用等バックアップ機能ミスシフト防止機能:ミスシフト防止のため、各変速段に対し規定以上の車速ではシフト不可とする。電気系故障対応機能:電気系統故障時、手動操作で強制的にギアをシフトさせ自走可能とする。
効果操作性の向上:機械式大型T/Mに対し操作力で約1/3、操作ストロークで約1/2に低減、また変速時間は一般路で焼く20%短縮重量軽減:コントロールロッドが不要になり、30kg軽減
特徴・クラッチ・T/Mの変更なしに、また運転操作方法も従来と変わりなく変速操作力が大幅に軽減・シフト操作完了後、圧縮空気を排出しギアが入ったような擬似反力をチェンジレバーに持たシフトフィーリングを従来と同様にしている。
参考文献宮沢信夫、長谷川征夫、立野敏昭「フィンガコントロールトランスミッション装置」自動車技術会誌、Vol.38、No.2、1984、P236-41

出典 社団法人自動車技術会日本の自動車技術240選について 情報

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