FEDテレビ(読み)FEDてれび/えふいーでぃーてれび(その他表記)Field Emission Display TV

知恵蔵 「FEDテレビ」の解説

FEDテレビ

FEDは、画素そのものが、ブラウン管的な「電子源+蛍光体」構造を持つディスプレー。ソニー関連の技術開発会社、エフ・イー・テクノロジーズ社が開発した。スピント型といって、三角錐型の電子源から電子を発射する方式だ。1画素に約1万5000の電子源を持つ。同種のものにキヤノン東芝が共同開発しているSED(サーフェス・コンダクション・エレクションエミッター・ディスプレー/表面電界ディスプレー)がある。 画質上のメリットは極めて大きい。その最大のものは、同じ自己発光方式であるブラウン管的な画質、画調が得られること。まずコントラスト透過型液晶パネルではなかなかコントラストが取れないのは、バックライトの光が漏れるからだ。ところが、自己発光素子では「黒は発光しない」のだから、浮く要因がない。黒浮きという概念などそもそもないのである。動画解像度も高く、視野角も全方向だ。今後、まずは業務用のモニター・ディスプレーとして商品化が予定されている。

(麻倉怜士 デジタル・メディア評論家 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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