Hバンド(読み)エイチバンド(その他表記)H-band

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「Hバンド」の意味・わかりやすい解説

Hバンド
エイチバンド
H-band

鋼を焼入れしたとき,表面からの硬さの浸透仕方は鋼種によって異なる。そこで各鋼種に対し,表面からの焼入れ硬さの変化を,上限下限に分けてグラフにしたものをHバンドという。 JISでは,試験材料で直径 25mm,長さ 100mmの丸棒試験片をつくり,一端を平らに磨き,所定の焼入れ温度に加熱後すぐ平らな断面を下にして保持し,下から 10分間噴水を吹きつける。その後試験片側面を研磨してロックウェルC硬さをはかる。その値がHバンドの範囲内にあれば及第である。アメリカでは早くからこれを規格化していたが,日本でも 1965年クロム鋼その他の構造用低合金鋼 22品種についてHバンドを制定した。その規格鋼種をH鋼という。Hバンドの曲線が水平に近いほど焼入れ性のよいことを示す。

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