ホームグロウンテロ

デジタル大辞泉 「ホームグロウンテロ」の意味・読み・例文・類語

ホームグロウン‐テロ(homegrown terror)

国内で生まれ育った者が、国外の過激派組織の主義主張に共鳴し、自国内で起こすテロ行為。特に、西側諸国に居住する者がイスラム過激思想影響を受けて行うテロリズムをいう。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「ホームグロウンテロ」の意味・わかりやすい解説

ホームグロウンテロ

ホームグロウンとは〈自国育ち〉の意味で,主に先進国で育ち,教育を受けた人物が自国などを対象に起こすテロのこと。インターネットやSNSなどを通じてイスラム過激派の思想に影響を受けた若者が独自に起こす例が多い。組織的なテロに比べて事前に計画を知ることが難しく予防が困難なため,近年,欧米諸国では新たな重大な脅威と受け取られている。2005年7月のロンドン同時爆破テロの実行犯はいずれもイギリス生まれのパキスタン系青年だった。2013年4月にアメリカのボストンで発生した爆弾テロ事件も,容疑者がロシア・チェチェン出身の移民の若者であったことから,同種のテロといえる。2015年1月パリで起こったシャルリー・エブド襲撃事件もアルジェリア系青年が襲撃犯とされる。欧米在住のイスラム教徒中東などで訓練を受け,自国に戻ってテロを行うという悪循環の構図が背景にある。差別や格差から社会に溶け込めず,不満を募らせて過激思想に走るケースも多い。こうした動きに乗じ,移民排斥や反イスラム,特定民族の排撃などを掲げる極右政治集団が台頭することも危惧される。
→関連項目イスラム過激派チェチェンテロリズム

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