知恵蔵 「iBeacon」の解説
iBeacon
BLEは、近距離無線通信「Bluetooth」技術の一つであり、10メートル程度の範囲での通信が可能で、低消費電力である点が特徴だ。
iBeaconでは、iBeaconの発信器に近づいたスマートフォン等のユーザーに情報を発信したり、ユーザーとの距離を測定したりすることが可能なため、公共施設や商業施設などでの利用が想定される。なお、同サービスを利用するには、スマートフォン等のBluetooth機能をオンにしておく必要があり、更に、スマートフォン等と発信器とのやりとりを行うためのアプリが必須となる。現在様々な場所で、利用シーンに応じたアプリが提供されている。
例えば、江ノ島電鉄が提供するアプリ「江ノ電なび」は、発信器のエリア内に入ると、江ノ電利用者に沿線のイベントや観光情報などを提供する。また、京セラドーム大阪で利用できるアプリ「野球場ナビ」は、座席に取り付けた発信器を使い、アプリ利用者が、スマートフォンのボタンを押すだけで、近くにいるビール等の売り子を呼ぶことができる。
実証実験として行われ、実用化には至っていないが、JR東日本が大日本印刷株式会社、株式会社日立製作所と共同開発した「東京駅構内ナビ」も、iBeaconならではのサービスだ(15年7月現在、実証実験は終了している)。広く複雑な東京駅構内は、迷う人が多いため、地図と案内サイン等を利用してナビゲーションを行うというアプリである。東京駅構内に設置された約160個の発信器がスマートフォン等に現在地を知らせることで、目的地までの案内を実現する、というものだ。
(横田一輝 ICTディレクター/2015年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報