20世紀西洋人名事典 「J.リー」の解説
J. リー
Jonas Lie
1833 - 1908
ノルウェーの小説家。
海軍士官を志したが、近視のため文学に転じ、ドレスデン、パリに主に住む。「幻視者」(1870年)でデビュー、一躍文名を高めた。思想的に保守派で、問題小説を書いても常に神秘的本性が姿を現す。他に「三本マストの未来号」(1872年)、「前進!」(1882年)などの海洋小説、後期の家庭生活を描いた「生の奴隷」(1883年)、「ギリエの家族」(1883年)などでは恵まれざる人々に対する理解、同情が、背景に流れていて、近代小説の得難い古典となっている。イプセンなどと共にノルウェー文学の全盛期を築いた。
出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報