化学辞典 第2版 「L-フェニルアラニン」の解説
L-フェニルアラニン
フェニルアラニン
phenylalanine
(S)-α-amino-β-phenylpropionic acid.C9H11NO2(165.19).略号PheまたはF.タンパク質構成アミノ酸として,また遊離の形で自然界に広く分布している.おもに発酵法でつくられる.単斜晶系板状あるいは小葉状結晶.分解点283 ℃.-35.1°(水).pK1 2.26,pK2 9.19(25 ℃),pI5.48.水に微溶,エタノールに難溶.苦味を呈する.必須アミノ酸で栄養剤として用いられ,動物体内でチロシンはフェニルアラニンからつくられる.DL-フェニルアラニンはフェニルアセトアルデヒドのストレッカーのアミノ酸合成や,α-ブロモ-β-フェニルプロピオン酸のアミノ化により合成する.白色の結晶.融点271~273 ℃.D-フェニルアラニンは微生物界に存在する.[CAS 63-91-2][CAS 150-30-1:DL-体]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報