改訂新版 世界大百科事典 「モービル会社」の意味・わかりやすい解説
モービル[会社]
Mobil Corp.
メジャーの一つモービル・オイル社Mobil Oil Corp.の持株会社。ほかにアメリカ国内トップクラスの小売業モンゴメリー・ウォード社Montgomery Ward & Co.,Inc.,板紙生産の大手コンテナー社Container Corp.of Americaを傘下に有する。利益の大半はモービル・オイル社より得ている。本社バージニア州フェアファックス。モービル・オイル社の前身は1882年に設立されたスタンダード・オイル・オブ・ニューヨーク社Standard Oil Co.of New York(略称ソコニー)である。ソコニー時代はスタンダード・オイル・トラスト(スタンダード・オイル社)の一員として,精製・販売面での活動を行っていたが,1911年,トラストの解体とともに原油供給源を失った。以降,安定した原油供給源の確保を最大の目標として,世界的な規模で探鉱・開発活動を進める一方,企業買収による供給源の拡大も活発に行ってきた。ソコニーは31年,潤滑油で世界的な名声を得ていたバキューム・オイル社Vacuum Oil Co.(1866年ニューヨーク州に設立)と合併し,ソコニー・バキューム社Socony Vacuum Corp.となった。1966年には現在の社名に改称。70年代には北海のスタットフィヨルド油田,ニューファンドランド沖のハイバーニア油田を発見している。また,ゼネラル・クルード・オイル社(1979),スーペリア・オイル社(1984)などを買収,資産を増加させた。売上高590億ドル(1994年12月期)。99年エクソンに買収され,エクソン・モービル社となった。
執筆者:岩崎 徹也
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