MU-300(読み)えむゆーさんびゃく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「MU-300」の意味・わかりやすい解説

MU-300
えむゆーさんびゃく

三菱(みつびし)重工業MU-2に続いて開発した、日本で初めてのターボファンエンジンを装備するビジネス・ジェット機。独特の翼断面と効率のよい翼形により燃料消費量が少なく、室内は同級機に比較して広く、居住性、快適性に優れる。初飛行は1977年、1981年にアメリカのFAAから型式証明交付を受けた。主としてアメリカ向けに生産され、ダイヤモンドⅠ(ワン)という名称で販売、のち改良型のダイヤモンドⅡ(ツー)も生産された。当初は日本で部品を製作、アメリカで組立てを行う方式をとっていたが、注文が伸びず、1985年アメリカのビーチ社に販売権を譲渡、ついで1988年に製造権も譲渡した。ビーチ社では、ビーチジェット400と改称して販売している。初期型の性能は、最大巡航速度毎時805キロメートル、経済巡航速度毎時695キロメートル、航続距離2320キロメートル(45分余裕燃料)、乗員2名、乗客9名。

[落合一夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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