他企業のブランド(商標)で販売される製品について、開発・設計から生産までを一貫して受託すること、またはその受託メーカーをさす産業用語。英語のoriginal design manufacturingまたはoriginal design manufacturerの略語である。日本では「相手先ブランドによる設計・生産」などと訳されている。他社ブランドの生産を受託するOEMという提携形態が進化・発展したものであり、受託企業のなかには製品企画、マーケティング、物流、販売、技術情報の提供までを請け負う企業もある。ODMを行っているのは、おもに台湾、シンガポール、中国など東アジア地域のパソコン、テレビ、携帯電話、液晶パネルなどの電子機器メーカーで、設計は台湾やシンガポールなどで行い、生産を中国で実施している場合が多い。なお電子機器のODM(またはOEM)をEMSとよぶこともある。
ODMの委託企業にとっては、他企業へ生産委託することで、設備投資や生産コストを節減でき、新たな製品開発や研究開発に集中できる利点がある。また受託企業は委託先ブランドの製品生産のほか、自社ブランドの製品を生産している企業も多く、生産効率の向上や自社技術の向上といった利点がある。ODMにおける受託企業の技術レベルは、委託企業と同等、あるいは委託企業以上の高い技術水準をもつことが必要である。
[矢野 武 2016年3月18日]
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