OEM(読み)オーイーエム

デジタル大辞泉 「OEM」の意味・読み・例文・類語

オー‐イー‐エム【OEM】[original equipment manufacturing]

original equipment manufacturing
相手先企業の商標(ブランド)をつけて販売される完成品や半成品の受注生産相手先ブランド生産。相手先商標製品製造。→オー‐ディー‐エム(ODM)
自動車産業で、自社製品を開発・製造する、完成車メーカーのこと。

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精選版 日本国語大辞典 「OEM」の意味・読み・例文・類語

オー‐イー‐エム【OEM】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( [英語] original-equipment manufacturing の略 ) 相手先商標製品製造。製造企業が、供給先の商標で出すという契約で、完成品(または半完成品)の生産・供給を行なうこと。コンピュータ家電機器などに多く見られる。
  3. ( [英語] original-equipment manufacturer の略 ) 相手先商標製造会社。契約により供給先の商標で出す商品を製造する供給元の会社。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「OEM」の意味・わかりやすい解説

OEM
おーいーえむ

企業が委託者のブランド(商標)で販売するという条件で、製品・部品を受託生産すること、または受託生産メーカーをさす産業用語。英語のoriginal equipment manufacturingまたはoriginal equipment manufacturerの略語である。日本では「相手先商標による生産」「納入先ブランドによる受託製造」などと訳されている。1950年代にアメリカの電機業界で始まったとされ、家電、自動車、情報機器、食品衣料・雑貨など広範囲の産業分野で普及している。委託者が製品や部品の設計から組立て図面、製作手法などを受託者へ供与し、技術指導を行うこともある。OEMは一種の下請け、あるいは分業の一形態とみることもできる。流通業界では、とくにOEMでつくった自社ブランド品をプライベート・ブランド(PB)とよぶ。

 委託企業にとっては、他企業へ生産委託することで、販売に必要な最小限の数量の製品を確保でき、設備投資や生産コストを節減できる利点がある。また製品の発売・導入期においてはブランド力の向上や自社技術の普及・標準化に役だち、成長期には生産能力不足を補い、成熟・衰退期には製品販売を維持しながら新たな商品開発に集中できる利点がある。しかし生産を外部に依存するため収益率が低いほか、生産技術や品質管理ノウハウなどが流出するおそれもある。受託企業にとっては、生産余力の活用や自社技術の向上のほか、販促費をかけずに有力企業のブランド力を使って売上高を伸ばす効果が期待できる。また製造部門をもたない商社や百貨店などの流通関連企業が自社ブランド品を販売できる利点もある。OEMには技術レベルの高い企業が低い企業を指導して実施する垂直的分業といえるOEMと、技術が同水準の企業どうしで実施する水平的分業といえるOEMがある。また異なる製品や部品を相互に委託しあう相互乗入れ型のOEMもある。さらに、OEMが進化・発展した提携形態にODMがある。

[矢野 武 2016年3月18日]

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改訂新版 世界大百科事典 「OEM」の意味・わかりやすい解説

OEM (オーイーエム)

original-equipment manufacturingの略。A,B2社が契約を結んで,A社がB社に製造委託し,その製品をA社のブランドで販売または使用するという生産方式ないしその製品(相手先ブランド製品)をいう。OEM生産,OEM供給というような表現をすることもある。電気・精密機械製品等によくみられる。とくに,ミニコンピューター,パーソナルコンピューターなどコンピューター業界,スピーカーなどステレオ業界では多くみられる。下請生産の一形態で,一般に比較的規模の小さい企業が行っており,OEM専業メーカーもあるが,1983年に日本アイ・ビー・エムが販売を開始したパソコン5500シリーズの,OEM供給が松下電器産業であるように,大企業が行うこともある。OEMのメリットは,生産する企業(供給元)にとっては,供給する相手先の販売力を利用し稼働率を引き上げられること,供給先にとっては,みずから生産設備をもたなくてすむことからコストの削減につながること,である。
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ASCII.jpデジタル用語辞典 「OEM」の解説

OEM

製造を発注した相手先のブランドで販売される製品を製造すること。製造を請け負う企業をを「OEMメーカー」という。OEMメーカーから製品の供給を受けた企業は、自社工場を持つリスクなどを回避して自社が展開するブランドによって製品を販売でき、製造の委託を受けたメーカーも、販売先が持つ製品や企業のブランド力を利用して販売量や製品力を向上できる。流通大手のスーパーなどの自社ブランド製品などが広く一般によく知られているが、食品から電化製品、衣料など、その内容は多岐にわたっている。

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知恵蔵 「OEM」の解説

OEM

自社製品の相手先ブランドによる生産、供給を指す。ある種類は相手に譲り、他の種類を譲り受けることで生産を集中し、操業水準の引き上げが可能となる。こうした戦略的提携は洗濯機、冷蔵庫、エアコン、電子レンジに代表される白物家電の世界で進んでいる。ライバル関係の三洋とシャープによる競争力の回復を目指した資材の調達・開発・生産に及ぶ包括的提携などがその一例。また、デジタル家電については、デジタル技術に強い日立製作所と家電に強い松下電器産業の提携が挙げられる。

(高橋宏幸 中央大学教授 / 2007年)

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百科事典マイペディア 「OEM」の意味・わかりやすい解説

OEM【オーイーエム】

Original Equipment Manufacturingの略。相手先商標製品製造。相手先ブランドで生産する方式ないしその製品。一般には中小企業が生産する下請生産の一形態である。自動車部品,家電製品,OA機器などが多い。委託側は自社で製造するより低価格で仕入れられ,生産側は大量生産によるコストダウンが見込める。

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パソコンで困ったときに開く本 「OEM」の解説

OEM

他社ブランドで販売される製品を製造すること、あるいはその製造を行う企業のことです。「Original Equip-
ment Manufacture(もしくは Manufacturer)」の頭文字です。
なお、OEMという言葉はパソコン関連だけでなく、食料品や家電製品等でも普通に使用されています。

出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本パソコンで困ったときに開く本について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「OEM」の意味・わかりやすい解説

OEM
オーイーエム

相手先商標製品」のページをご覧ください。

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