知恵蔵 「Pepper」の解説
Pepper
Pepperのサイズは、高さ1210ミリ、幅485ミリ、奥行425ミリで、重量は28キログラム。頭に四つのマイクと二つのカメラ、全身に数種類のセンサーを備える他、胸に10.1インチのタッチディスプレーを搭載する。通信方式は、無線通信であるIEEE 802.11 a/b/g/n規格のWi-Fiと、有線通信の10/100/1000 base Tイーサネットポートの2種類が利用可能。
Pepperは、人との触れ合いの中で、自律的に反応しながら動く。家庭では、Pepperに絵本の読み聞かせをさせたり、家族への伝言を預けたりすることができる。また、スマートフォンアプリの連携も可能なため、例えば、スマートフォンアプリから送信されたメッセージをPepperに読ませたり、送信された写真をPepperの胸にあるディスプレーに表示させたりすることもできる。またPepperは、常時インターネットに接続されているため、最新のニュースや天気などを知らせたり、会話データベースとの連携によって、幅広い話題に答えたりすることも可能だ。
Pepperには、人の表情や声から、その人の感情を察する「感情認識機能」が備わっている。感情認識は完璧ではないが、家庭の中で、家族を励ましたり、一緒に喜んだりすることができるロボットを目指しているという。更に、Pepperの各機能を組み合わせた動作プログラムである「ロボアプリ」を新たにダウンロードすれば、Pepperの機能を増やすことも可能。一般向けの開発環境も用意されている。
家庭内での利用では、小さな子どもとの接触も想定されるが、Pepperのボディーは、安全第一に考えられており、人や障害物との衝突を防止する「衝突防止」機能や、簡単に倒れないようにバランスを維持する「オートバランス」機能などを搭載している。
なお、Pepperの本体価格は19万8000円(税別)だが、前述のロボアプリや会話データベースを利用するには、月々1万4800円で36カ月契約の基本プランへの加入が必要となる。
(横田一輝 ICTディレクター/2015年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報