コミュニケーション(読み)こみゅにけーしょん(英語表記)communication

翻訳|communication

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コミュニケーション」の意味・わかりやすい解説

コミュニケーション
こみゅにけーしょん
communication

人間にとって、コミュニケーションは基礎的社会過程である。個人の発達にとっても、集団や組織の形成と存続にとっても、コミュニケーションは必要不可欠であり、人間社会の基礎をなすものといってよい。アメリカの社会学者ランドバーグGeorge Andrew Lundberg(1895―1966)の表現を借りるならば、「社会と社会を構成する諸組織とがれんが造りの家屋であるとすれば、コミュニケーションはその建築を可能にし、全体を統一的に結び合わせるモルタル」である。

[岡田直之]

概念と機能

アメリカの社会心理学者ハートレーEugene Leonard Hartley(1912―2002)によると、コミュニケーションは個人に対して次のような三つの機能を果たしている。(1)コミュニケーションは個人に対して世界をパターン化する。(2)コミュニケーションは他の人々との関係において、個人自身の位置を定義づける。(3)コミュニケーションは個人が首尾よく環境に適応するのを助長する。他方、社会や集団・組織にとって、コミュニケーションは、(1)社会統制の手段であり、(2)構成員の社会化と統合に不可欠な機制であり、(3)文化の創造、享受、継承を可能ならしめる。

 このように、人間と社会にとって基礎的重要性をもつにもかかわらず、コミュニケーションの概念はまことに多様であって、統一された共通の定義が存在するわけではない。ちなみに、社会学者、社会心理学者、コミュニケーション研究者などによる若干の定義を紹介してみるならば、コミュニケーションとは、「一方から他方へのメッセージの伝達」「情報を伝達して反応を引き出すこと」「情報、観念、あるいは態度を共有すること」「一連の規則によって行動の諸要素あるいは生活の諸様式を共有すること」「精神の相通じること、参加する人々の精神に共通のシンボルを生ぜしめること、要するに了解のこと」「人から人へと情報、観念、態度を伝達する行為のこと」「ある人ないし集団から他の人ないし集団(あるいは人々ないし諸集団)へ、主としてシンボルによって情報を伝達すること」「メッセージによる社会的相互作用のこと」といったぐあいに、実に多様な定義が提示されてきた。

 こうしたコミュニケーションの概念的多様性にもかかわらず、「人々がなにものか(情報、観念、態度、行動、感情、経験など)を共有すること」というコミュニケーションの基底的属性がおのずから浮かび上がってくる。もともとコミュニケーションということばはラテン語のコムニスcommunisから派生したものであり、「共通の」とか「共有の」といった意味を語源的にもっている。この心的共通性・共有性という基底的属性こそ、人間コミュニケーションの原点である。

[岡田直之]

コミュニケーションのモデル

もっとも広く知られているコミュニケーション・モデルは、アメリカの応用数学者シャノンとウィーバーWarren Weaver(1894―1978)によって提示されたものである。このモデルは通信情報理論の基礎となった記念碑的業績といってよいが、電気通信で情報を迅速かつ正確に送るためには、どうすればよいかという通信工学的問題意識に基づいて構築されている。したがって、本来は機械系コミュニケーションにもっともよく適用されるが、人間を含めて生体系コミュニケーションのシステムにも広く応用できる点で、もっとも影響力のあったコミュニケーション・モデルといえる。

 このモデルはおよそコミュニケーションを考察する場合の、もっとも基礎的な諸要素をほとんど網羅している。情報源はまず伝えたいと望むメッセージを選択する。送信体はこのメッセージを信号に変え(符号化・記号化)、信号はコミュニケーション・チャンネルを通して受信体に送られる。受信体はその信号をふたたびメッセージに変換して(複号化・記号解読)、目標に送り込む。信号の伝達過程でメッセージの正確さや有効性を低減させる要素をノイズ(雑音)とよぶ。

 このように、このモデルには、「情報源/送信体」「目標/受信体」「メッセージ」「チャンネル」「ノイズ」「符号化・記号化」「複号化・記号解読」といったコミュニケーション過程にかかわる基本的要素ないし要因がほとんど含まれている。

[岡田直之]

人間のコミュニケーションの特徴

シャノン‐ウィーバー・モデルの特徴は、なによりも、情報源から送り先への直線的・一方向的なコミュニケーション過程を前提にしていることであるが、いうまでもなく、人間のコミュニケーションは意味の伝達と共有を図る双方向的・循環的・創発的な記号・象徴行為である。「フィードバック」feedbackの概念を導入しなければ、人間のコミュニケーションの動態を理解することはできない。話し手が聞き手の表情や返答などの反応に配慮しながら会話を進める場合、彼はフィードバック機能を行っている。聞き手の反応が好意的であれば、話し手はおそらく会話をより活発に続けようとするだろうし、逆に聞き手が無関心であったり、不機嫌であれば、話し手はたぶん会話を打ち切るであろう。前者は正のフィードバックの働きであり、後者は負のフィードバックの働きである。

 フィードバックがコミュニケーション行動の事後的調整であるのに対して、「フィードフォワード」feedforwardは、予想や予期に基づくコミュニケーション行動の事前の調節機能である。話し手が会話のある時点で、聞き手にある種の反応を期待し、予想された反応が生じなかったならば、別のコミュニケーション行動がとれるようにあらかじめ準備しておく場合、こうした期待や予想のメカニズムがフィードフォワードとよばれる。フィードフォワードが作動することによって、フィードバックはより柔軟かつ円滑に機能でき、人間のコミュニケーションは質的により豊かになる。

 人間のコミュニケーションの場合、情報源と送信体、受信体と目標とはそれぞれ別個のコミュニケーション単位としてよりも、一組のコミュニケーション構成単位としてとらえ、情報源=送信体(送り手)におけるメッセージの記号化と、目標=受信体(受け手)におけるメッセージの解読・解釈との連結ユニットを想定したほうが理解しやすい。しかも、人間のコミュニケーションにおける相互性と循環性を考えるならば、個人は送り手であるとともに受け手であり、受け手であるとともに送り手でもあるのだから、人間のコミュニケーションの場合、いわゆる送り手、受け手にかかわりなく、メッセージの記号化、解読、解釈は重層的に進行すると考えるべきであろう。

 人間のコミュニケーションはつねに社会的、文化的脈絡で生起する。そもそも人間のコミュニケーションは、主として言語による象徴的コミュニケーションであるが、言語が相互に了解可能な意味をもつ記号のシステムである限り、コミュニケーションは優れて文化的に規定された事象にならざるをえない。異文化間のコミュニケーションがいかに困難で、やっかいな問題を抱えているかを考えれば、コミュニケーション事象における文化的要因の決定的重要性は容易に理解できよう。しかし、同一文化圏の内部においてすら、階層・階級やエスニック・グループ(人種集団)やジェンダーなどの差によって、記号やメッセージの意味内容が微妙にずれて、いわゆる意味論的ノイズの問題が発生する。

 さらに、人間社会のコミュニケーション・システムは経済や政治とも深く絡み合っている。経済システムと政治システムの態様が、その社会におけるコミュニケーションの様式と機能を規定し、多大の影響を及ぼしている。人間のコミュニケーションは、けっして社会的・文化的真空のなかで生起するわけではないのである。

 1980年代以降のコミュニケーションの定義で注目されるのは、(1)コミュニケーションを共有の普遍的な言語ゲームに基づいて社会的結合・統合・合意を図る行為・過程であるとみなすだけではなく、コミュニケーションの惹起する葛藤(かっとう)・差異・離反・排除・抑圧の位相にも目を向ける複眼的な視座の台頭と、(2)コミュニケーションとメディアとを表裏一体の関係としてとらえるメディア論的パラダイムへのシフト、であろう。

[岡田直之]

動物のコミュニケーション

ある動物が音やにおいなどの信号によって情報を送り、別の個体が感覚器を通じてその情報の内容を読み取ると、コミュニケーションが成立したことになる。コミュニケーションの方法は、動物によってさまざまであり、信号を受ける感覚器の違いにより次の4種に大別できる。

(1)聴覚刺激による伝達 昆虫やカエルの音声、鳥の歌、人の声、ゴリラドラミングなどである。昆虫やカエルでは、鳴き声が種の認知をしたり、雌を引き付けるのに役だっているといわれる。

(2)視覚刺激による伝達 色、形、動きなどが信号として伝わる。体表面、羽毛の色や模様を目だたせることにより、同種であることを認知したり、発情などの生理的状態を伝えると考えられる。威嚇や防衛を表す決まりきった行動の型、求愛時などのディスプレー、人やサルでみられる複雑な顔の表情なども視覚刺激であり、これらの行動は表現行動ともよばれる。

(3)嗅覚(きゅうかく)刺激による伝達 動物が体外に化学物質を放出することで情報が伝わるが、情報を受け取るのが同種である場合に、その化学物質をフェロモンとよんでいる。カイコガでは、雌がフェロモンを分泌して雄を誘引する。哺乳(ほにゅう)類では、排出物を残したり、皮脂腺(ひしせん)からの分泌物をこすりつける行動(マーキング行動marking behavior)をして、縄張りを誇示したり個体あるいはグループを認知させる。

(4)触覚刺激による伝達 鳥の羽づくろい、哺乳類の抱くという行動や毛づくろいなどがある。ニホンザルでは、ほかの個体との毛づくろいが、群れ内の社会関係の維持に重要な役割を果たしているとされる。

 これら4種の伝達方法のうち、ある情報を伝達するために一つしか用いないこともあれば、複数の方法が組み合わされることもある。もっとも単純な例としては、トゲウオコマドリで雄の腹の赤い色が、ほかの雄に攻撃行動を解発させることがあげられる。これに対して、ニホンザルの雌では、発情すると顔や尻(しり)が鮮やかに赤くなり、雄の後を追い「恋鳴き」とよばれる音声を出すが、においによっても雄を引き付けるといわれる。しかし、一般には単純な方法しか用いなくても、相手の反応過程との組合せによって複雑な内容が伝わることが多い。

 動物がある情報を伝えるのに、どの伝達方法を用いるのかは、それぞれの動物の生活のあり方と、伝える相手との距離に大いに関係がある。たとえば、夜行性のガの雌はフェロモンを使って雄を誘引するが、昼行性のチョウでははねの模様が重要である。縄張りをもつ鳥や哺乳類では、遠くの個体に対する縄張り宣言は音声によるが、縄張り内の情報伝達では4種の方法のすべてが用いられる。

 情報の受け手は同種であることが多いが、共生や被食・捕食関係にある2種間や、擬態をする種とだまされる種との間の情報伝達では、他種が受け手である。また、同種に向けた信号が本来の受け手ではない捕食者等の他種によって受け取られ利用される場合もある。

 信号はさまざまな情報を伝達する。鳥のさえずりの多くは、その区域を縄張りとして所有していることの宣言になっており、しかも周囲の個体は、さえずりを聞くだけでそれを歌っているのが誰であるかを判断できる。闘争において使われる信号には、闘争能力に関する情報が含まれており、これによって勝ち目のない闘争を避けることができる。また、配偶相手としてふさわしい相手を選ぶために、求愛者の出す信号が手がかりとして用いられることもある。さらに、動物の信号のなかには外的事象をシンボリックに指し示す例(参照的信号機能)も知られている。サバナに住むベルベットモンキーは3種類の捕食者に対して異なる警戒音を発するが、群れの仲間はその違いを聞き分けて、その敵に応じた適切な逃避行動をとる。またクモザルは命名体系をもち、群れの他個体に呼びかけるときには、その個体に応じた鳴き声を用いる。

[井上美智子・川道武男・藪田慎司]

動物のコミュニケーションの進化

1970年代後半以降、動物のコミュニケーションの進化についての理解が著しく深まった。進化的観点からみれば、コミュニケーションにおいて重要なのは、情報を伝達することというよりも、むしろ信号の受け手の行動を変えることである。その変化が送り手に有利なものであれば、その信号は自然選択によって進化するだろう。だとすると、動物がコミュニケーションで用いる信号は正直なものなのか、という疑問が生まれる。たとえば、闘争において自分の力を誇示している個体や、求愛において自分の魅力をふりまいている個体は、本来以上の力があるように見せかけないのだろうか。なぜなら、どちらの場合でもそうすることで利益が得られる(ライバルを追い払えたり、雌を獲得できたりする)からである。しかし、逆に信号の受け手の立場から考えれば、正直でない信号にだまされることは不利益である。受け手は正直でない信号を見抜くかもしれないし、信号自体を無視するかもしれない。このような受け手による信号のえり好みが行われる結果、いくつかのタイプの正直な信号が進化することがわかっている。

 正直な信号の例の一つは、信号とそれが伝えている情報の内容との間に直接的で必然的な結び付きがある場合である。たとえば、威嚇に使われる音声の周波数は、しばしば体の大きさの正直な信号になっている。これは、体が大きい方がより低い声を出すことができるという物理的理由による。信号と情報に直接的で必然的な結び付きがない場合には、送り手は正直でない信号を出すことができる。しかしその場合であっても、動物が互いに個体識別しているなら、やはり正直な信号が進化すると考えられる。嘘(うそ)の信号を出す個体は次からは信用されなくなるため、不利益を被るかもしれないからである。このため正直でない個体の適応度が下がり、結果として正直な信号を出す個体が自然選択によって選ばれていくだろう。

 正直な信号が進化する別のケースもある。それは、信号が送り手のある種の「優良さ」を示し、かつ、実際よりも「優良」であるように見せかけることにコストがかかる場合である。この場合、自分の「分を超える」信号を出そうとしても、結局、分不相応なコストに耐えることができない。より「優良」な信号を出すことができるのは、その信号を出すのに見合うコストを支払える個体、つまり本当に優良な個体だけである。この結果、正直な信号が進化するだろう。たとえば、ツバメの雄は長い尾羽をもっている。それは、雌にとっては魅力的であるが逆に雄の生存にとっては不利である。しかし、この長い尾羽は、まさにそれが生存に不利だからこそ進化してきたということになる。雌からみれば、長い尾羽をもつ雄は、その不利にもかかわらず生存しているのであり、それは不利を打ち消すだけの「優良さ」をもっていることを示す正直な信号になる。実際、実験的に長い尾羽をもたせた雄はその長い尾羽のコストに耐えられず生存率が低下する。この「優良さ」が具体的に何であるかについては、餌(えさ)を捕まえる能力等のほかに、寄生虫等の感染に対する抵抗力や免疫力等の可能性が注目されている。同様の正直な信号が、捕食者から逃避する動物の行動にも存在する。ガゼルは、捕食者に狙われた時に一目散に逃げるのではなく、ピョンピョンと跳躍してみせる。これは、捕食者に自分の逃走能力の高さを示している信号だと考えられる。逃げる能力が本当に高いガゼルでなければ、高く激しく飛ぶことはできないし、そんな無駄なことをして余裕をみせたりできないからである。

 信号の進化の初期に目を向けると、最初に信号として何が選ばれるのかが問題である。音なのか、匂いなのか、視覚刺激なのか。さらに、たとえば視覚刺激が選ばれたとして、それは、どんな形なのか、動きなのか、色なのか。事実上、信号デザインの可能性は無限である。そのなかで、一つの可能性が選ばれて進化してくるわけだが、そのメカニズムには、信号は受け手に認知されなくてはならないという単純な制約が関係している。受け手となる動物は、すでに彼らの生活の必要性から、さまざまな認知システムを発達させてきている。信号の送り手が受け手の行動に影響を与えようとするなら、すでに存在する受け手の認知システムを利用するのがよい方法のはずだ。たとえば、ミズダニのあるグループでは、雄の雌に対する求愛信号が、前脚を雌の前で振動させる行動からなりたっている。この求愛信号に対する感受性は、そのような求愛信号をもたない近縁種の雌にもみられる。これは、信号への感受性が信号よりも先に進化していたことを意味する。実際、求愛行動の振動は餌の振動を模したものになっているらしい。ミズダニの求愛信号は、雌のもつ餌への感受性に便乗して進化したと考えられる。多くの信号進化の初期には、このようなメカニズムが働いていたと考えられる。

 人間のコミュニケーション能力を進化的観点から理解する試みも進められている。人間という動物のコミュニケーションを特徴づけるのは言語であるが、人間の言語コミュニケーション能力は、単一の能力というよりも複数の認知能力の複合であると考えられる。たとえば、意図的な音声表出能力、参照的な音声信号、非言語的な概念表象を構成する能力、他者に「心」を帰属させることでその行動を予測する能力(心の理論)、文法にのっとった文をつくり出す能力等が関係していると考えられる。これらに類似した諸能力が他の動物にもみられる。これらの能力が他の動物でどのように進化してきたのか、またそれらが人間の言語コミュニケーション能力の進化とどのように関係しているのか(相同なのか相似なのか)を知ることが重要であると考えられる。

[藪田慎司]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コミュニケーション」の意味・わかりやすい解説

コミュニケーション
communication

言語,身ぶり,画像などの物質的記号を媒介手段とした精神的交流のこと。語源はラテン語で「分かち合う」を意味する communicare。歴史的には物質的記号は初期の身ぶり,叫びなどの直接的で無反省な状態から,明確な言語などの普遍的かつ間接的な状態へと発達した。コミュニケーションの過程は,精神的内容を物質的に表現する送り出しの段階,受け手によって受容される段階の2段階から成る。また,その内容は分析的に知的理解のためのものと,情緒的な伝播を目指すものとに分けられる。人間社会を成立させる基礎的な条件であり,特に今日ではマス・コミュニケーションが高度に発達して大きな影響力をもっている。

コミュニケーション
communication

生物学用語としては,動物の同種個体間にみられる種々の信号のやりとりをさす。動作や色彩や光などの視覚的,鳴き声などの聴覚的,匂いなどの嗅覚的信号が用いられる。同種個体は一般にその信号に対して本能的に反応することが多い。また同一信号に対して雌雄間などで反応が異なることもある。

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