US‐VISITプログラム(読み)US‐VISITぷろぐらむ/ゆーえすびじっとぷろぐらむ(英語表記)US‐VISIT Program

知恵蔵 の解説

US‐VISITプログラム

国土安全保障省が2004年1月、導入・実施した、テロ対策の一環をなす新たな出入国管理制度。米国に査証(ビザ)を持って入国する外国人に、指紋採取顔写真の撮影を義務づけるもの。旅券審査の後、まず左右の人さし指の指紋を電子スキャナーで採取、続いて顔写真を撮影する。採取された指紋などの情報は、国際指名手配者やFBIの手配リスト、ビザ申請時の情報と照合され、不審者を即時に識別する。当面は全米115カ所の主要空港と14カ所の港で開始し、その後、06年までに陸路の入国地点でも順次実施していく方針。当初、観光目的で最長90日のビザなし入国が認められている日英独仏など27カ国からの短期滞在者は、この新制度の適用対象外としていたが、国土安全保障省はテロリストが免除規定を悪用してテロを企てる可能性があると判断。米国が各国に求めてきた、バイオメトリクス(身体的特徴)を記録した「機械読み取り式旅券」導入が難航している現実も踏まえ、04年4月、プログラムの拡大を決定した。

(井上健 東京大学大学院総合文化研究科教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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