知恵蔵 「Windows10」の解説
Windows10
「Windows8.1」の次のバージョンとなるが、バージョン9ではなく10であり、パソコン用OSとしてだけではなく、スマートフォンやタブレットなど、パソコン以外のデバイスにも対応した点が、最大の特徴。マイクロソフト社は、Windows10の発売から1年間、Windows7、Windows 8.1のパソコンユーザーと、Windows Phone8.1のスマートフォンユーザーに対し、Windows10への無料アップデートを提供する。
Windows8で、スタートメニューがなくなったことに対するユーザーの不満が多かったこともあり、Windows10ではスタートメニューが復活した。スタートボタンをクリックすれば、Windows7まで採用されていたスタートメニューと同じメニューが開くだけでなく、Windows8の基本UI(ユーザーインターフェイス)であるタイル表示も併用できるなど、新旧のUIを融合させた、新しいメニューを実現させている。
特筆すべき機能は二つ。一つ目は、パーソナルアシスタント「Cortana(コルタナ)」の存在である。Cortanaは、Windows Phoneで採用されており、アップル社の「Siri」のように、ユーザーの質問に答える音声アシスタント機能を持つ。そのため、天気予報やスポーツの試合結果についての回答や、メール送信のサポートなどができる。更に、ユーザーの利用環境や操作履歴を元に、ユーザーの趣味や趣向を学習し、提案や助言も可能となっており、ファイル検索では、パソコン上の記憶装置と、マイクロソフト社が提供するオンラインストレージ「OneDrive」の双方から、該当ファイルを検索できるなどといった点で、Siriとの差別化を図っている。
二つ目は、新しいブラウザーソフト「Project Spartan(開発コードネーム 以降Spartan)」。これまでWindowsのブラウザーと言えば、「Internet Explorer」だったが、パソコン以外のデバイスにも対応したWindows10では、Spartanが、新たなデフォルトブラウザーとなるようだ。Spartanは、タッチや音声、ジェスチャーなどの、マウスとキーボード以外の方法でも利用可能で、Spartan上に表示したウェブページに手書きしたり、手書きしたページを「OneDrive」やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などで共有したりできる。ウェブページ上の広告を非表示にできるモードもあり、前述のCortanaを使った検索もできる。
発売は、15年後半に予定されているが、15年1月末からテクニカル・プレビュー版の「Windows10 Technical Preview」が公開されたため、このプレビュー版をダウンロードして使い勝手を試すことができる。
(横田一輝 ICTディレクター/2015年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報