六訂版 家庭医学大全科 の解説
X連鎖無γグロブリン血症
エックスれんさむガンマグロブリンけっしょう
X-linked agammaglobulinemial
(子どもの病気)
どんな病気か
γグロブリンの低値または欠如により、1歳過ぎから細菌に対する
原因となる遺伝子はX染色体にあるチロシンキナーゼで、多様な遺伝子変異が認められています。
症状の現れ方
感染症は、母親から来るIgG抗体が消える乳児期後半(生後6~9カ月以降)から認められます。主として
検査と診断
すべての免疫グロブリンのクラスが著しく減ります。血中IgGは多くの例で200㎎/㎗以下であり、IgA、IgMは欠如します。末梢血中のBリンパ球が著しく減ります。
診断は血清IgG値が200㎎/㎗以下で、他のIgアイソタイプも欠損すること、末梢血中のB細胞数は1%以下であること、乳幼児期から細菌感染を主とする易感染性が認められること、T細胞は正常であることなどで疑われます。
治療の方法
静注用免疫グロブリンの置換療法が行われます。1カ月あたり400~500㎎/㎏の投与が行われます。一般的には血清免疫グロブリン値が谷間値(トラフ値)で少なくとも500㎎/㎗以上を維持するように調節します。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報