か文字(読み)かもじ

精選版 日本国語大辞典 「か文字」の意味・読み・例文・類語

か‐もじ【か文字】

〘名〙 (「髪(かみ)」「髢(かずら)」「母(かか)」など「か」で始まる言葉の後半を略し、「文字」を添えたもの)
[一] (髢)
① 髪のことをいう女房詞
※大上臈御名之事(16C前か)「かもじゆふこと。まづかみのうゑのきわをびんのかみをのけてゆひて」
婦人の添え髪。いれがみ。
※京大二十冊本毛詩抄(1535頃)三「髪をあみ列ねて作るかもじなどの様な物ぞ」
関船弁才船など一本水押(みよし)の海船の水押先端につける、縄で作った飾り。通常三種の形状が用いられる。さがり。〔和漢船用集(1766)〕
[二]
① 母、または、妻の意。
実隆公記‐文明八年(1476)六月二九日紙背「かもしさまより昨日文たひ候」
② 餠をいう女房詞。かちん
※御湯殿上日記‐天正一四年(1586)一二月二一日「大御ちの人よりあかのかもしまいる」
③ 「かたじけなし」の女房詞。
※実隆公記‐大永七年(1527)一〇月紙背「返々御れゐ候へは、かへりてかもしに思ひまいらせ候」

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