ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベアトリクス」の意味・わかりやすい解説
ベアトリクス
Beatrix
オランダ女王(在位 1980~2013)。フルネーム Beatrix Wilhelmina Armgard。ユリアナ女王とベルンハルト公の長女として生まれた。第2次世界大戦中ドイツがオランダに侵攻すると家族とともに亡命し,終戦までイギリスとカナダで過ごした。1948年ユリアナの女王即位に伴い,王位継承権を得た。1956~61年ライデン国立大学で社会科学,法律,歴史を学んだ。1965年ドイツの外交官クラウス・フォン・アムスベルクと婚約。アムスベルクはかつてヒトラー・ユーゲントやドイツ軍に属していたこともあり,連合国による裁判で無罪となってはいたものの,国民の強い反感を招いた。1966年3月10日騒乱のなか挙式。しかしこうした敵意は,夫婦の間にオランダ王室(→オランニェ=ナッサウ家)にとって 1890年以来となる男子王位継承者(王子)が 3人誕生したことによって和らいでいった。ユリアナ女王の退位をうけ,1980年4月30日女王に即位した。2013年4月30日に退位,息子のウィレム=アレクサンダーが新国王に即位した。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報